【Nulbarich ライヴレポート】『1st ONE MAN TOUR「Change The Track」』2017年12月13日 at 恵比寿 LIQUIDROOM

2017年12月21日 / 12:00

2017年12月13日 at 恵比寿 LIQUIDROOM (okmusic UP's)

 2016年6月、突如シーンに現れるやいなや、ブラックミュージックをベースに唯一無二のサウンドを追求する活動が歓迎され、めきめきと頭角を現してきたNulbarichが仙台、大阪、福岡と回ってきた『1st ONE MAN TOUR「Change The Track」』。その最終公演が12月13日に恵比寿LIQUIDROOMにて開催された。

 Nulbarichにとって新たな挑戦となる今回のワンマンツアーは、東京を含む全4公演が全てソールドアウトに。彼らに対する期待の高さがうかがえたが、同時にそれはワンマンツアーを視野に入れ、今年の夏、数々のフェスティバルでパフォーマンスしてきた成果でもあったのだろう。そんな期待に応えようと、満員の客席に向かって、“泣いても笑ってもファイナルです。みんな、ついてきてくれてありがとう。全力で返す!”とJQ(Vo)は宣言。ふたりのギタリストとリズム隊、そしてキーボード奏者によるセッションからライヴに雪崩れ込むと、そこから1時間半にわたって全16曲を披露していく。

 ヘヴィなファンクナンバーの「TOKYO」から一転、ギターだけをバックに歌い上げたバラードの「Everybody Knows」からJQの歌声がぐんぐんと伸び始めると、それに応えるようにバンドの演奏もヒートアップ。

 “止まらずに行くスタイル。ビートが止まないスタイル。だから、みなさんもついてくるスタイル。よろしくお願いします。ついてこないと置いていくスタイル”。フロウが絶妙なMCを交え、JQが客席を煽りながら、ノンストップで「Fallin’」「Spread Butter On My Bread」、そしてバンドが熱いインプロを繰り広げた「Hip Hop Session」とつなげる。また、「On and On」では観客にシンガロングを求めながら、“こっちから先に見せるスタイル”とJQ。まず熱唱を聴かせてから“返して!”と呼びかけると、観客が一斉に大きな声を上げ、歌い出した。そして、メロウな曲調の「Ordinary」で掲げた手を振った観客は、バンドが続けて演奏した代表曲「NEW ERA」で眩い照明の中、大きな歓声を上げる。

 最初のライヴはサーキットイベントで観客が10人いなかったと振り返りながら、“この1年半、Nulbarichの曲を多くの人に愛してもらって、みなさんと僕たち、こうやって音楽を通して会話する場所がある。本当にありがたいですよね”と感謝を述べたJQは、来年の3月から4月にかけて、仙台から福岡まで計7公演を行なう全国ワンマンツアー『Nulbarich ONE MAN TOUR 2018 “ain’t on the map yet” Supported by Corona Extra』を開催することを発表。“ここで終わりにしたくないんで、(今夜は)そのツアーの初日ということにしました”と語り、ツアーファイナルを新たなスタートに変えたのだった。それは今回のツアーに大きな手応えを感じていたからだろう。

 新曲の「In Your Pocket」とレゲエのリズムが心地良い「LIFE」の2曲を演奏したアンコールでは、“この景色を目に焼き付けて持っていきます。どこに? どっかに!”とJQらしい言い方でさらなる前進を誓い、“気が向いたら、こっち向いてよ。好きなところに連れて行くよ。できる限りね。約束はしない。努力はする。嘘はなし。また、会おうね”と再会を約束した。

 この夜、JQは“喋ると事故るからできるだけ喋りたくない”と苦笑していたが、喋り出した途端に人柄を滲ませながら独特の雰囲気を醸し出すMCもまた、この夜のライヴの観どころのひとつだったことを最後に付け加えておきたい。
撮影:木村篤史/取材:山口智男
セットリスト
1.INTRO
2.It’s Who We Are
3.Lipstick
4.Hometown
5.TOKYO
6.Everybody Knows
7.I Bet We’ll Be Beautiful
8.Fallin’
9.Spread Butter On My Bread
10.Hip Hop Session
11.On and On
12.Ordinary
13.NEW ERA
14.Follow Me
<ENCORE>
1.In Your Pocket
2.LIFE
Nulbarich
ナルバリッチ:メンバーであるシンガーソングライターJQがプロデュースするバンド。メンバーは固定されておらず、親交の深い仲間とともにスタイルやシチュエーションなどに応じたベストなサウンドを作り出す。ファンクやアシッドジャズなどのブラックミュージックをベースに、ポップス、ロックなどにもインスパイアされたサウンドは、国内外のフィールドで唯一無二のグルーブを奏でる。


音楽ニュースMUSIC NEWS

幻のドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ:Let It Be』が復活、Disney+『スター』で配信へ

洋楽2024年4月19日

 ザ・ビートルズ解散までの歩みを描いた、マイケル・リンゼイ=ホッグ監督による1970年製作のドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ:Let It Be』が、ディズニー公式動画配信サービス『Disney+』の『スター』にて2024年5月8日より … 続きを読む

ディッキー・ベッツ、オールマン・ブラザーズ・バンドの共同創設者が80歳で死去

洋楽2024年4月19日

 現地時間2024年4月18日の朝、オールマン・ブラザーズ・バンドの共同創設者でシンガー/ギタリストのディッキー・ベッツが、癌と慢性閉塞性肺疾患との闘病の末80歳で死去した。  遺族は彼のインスタグラムで、「フォレスト・リチャード・“ディッ … 続きを読む

HONNE、初夏の陽気を感じる最新曲「Imaginary」リリース

洋楽2024年4月19日

 HONNE(ホンネ)が、2024年最初の新曲「Imaginary」をリリースした。  HONNEは、アンディ・クラッターバックとジェイムズ・ハッチャーからなるアート・ポップ・デュオ。「Imaginary」では2人が作曲、プロデュース、ミッ … 続きを読む

松本孝弘(B'z)率いるTMG、全国ツアー開催&バンドメンバー決定

J-POP2024年4月19日

 TMG(TAK MATSUMOTO GROUP)が、20年ぶりとなる全国ツアー【TMG LIVE 2024】を開催することが、決定した。  2024年の再始動を発表し、新作リリースに向けてレコーディングが進んでいるTMG。ツアーのバンドメ … 続きを読む

ジョヤ・モーイ、ニューシングル「Don't Answer」リリース

洋楽2024年4月19日

 ジョヤ・モーイが、ニューシングル「Don’t Answer」をリリースした。  南アフリカ出身で、現在オランダを拠点に活動し、南アフリカのルーツとアムステルダムの都会的なエッセンスを融合させ、R&B、インディーポップの … 続きを読む

Willfriends

page top