the GazettE 2極の顔を存分に見せたハロウィンの夜。共に祝い、舞い乱れる野郎どもこそ「俺らの生きる理由」

2017年11月14日 / 19:30

 the GazettEが、東京・大阪全4公演のハロウィンライブ【HALLOWEEN NIGHT 17 THE DARK HORROR SHOW SPOOKY BOX 2 アビス/LUCY】を10月31日 東京・豊洲PITにて締めくくった。

 昨年行われたthe GazettEのハロウィンライブ【SPOOKY BOX】。今年は東京、大阪で各2公演のコンセプトライブを開催し、全公演SOLD OUTを記録。第一夜を<アビス>、第二夜を<LUCY>と称し、the GazettEの2面性を表現、オーディエンスを狂気の渦へと巻き込む中で、“自分たちの中でも刺激を受けた”と、彼らもまた最高の瞬間を目の当たりにしていった。様々な面を持って、それを極端にコンセプトとして打ち出せること。これが“ヴィジュアル系の魅力”であり“the GazettEの魅力”だと言わんばかりの2極的な本ライブ 東京公演を紹介したい。

・第一夜<アビス>「名も無き病棟へようこそ。」

 場内がまるで廃病院と化し、ナースや怪我を負った患者に扮したオーディエンスがチラホラ。そこへ登場するメンバーは白衣を纏い「Bath Room」からライブをスタートさせ、「名も無き病棟へようこそ。」と同病院の先生となり、観衆へ最善の処方を与えていく。「BIZARRE」後には、RUKIがライトを用い診察するなか、赤いライトに照らされた無数の手が蠢く、おどろおどろしい光景が広がっていた。

 容態の安定しないオーディエンスへ「BURIAL APPLICANT」「虚無の終わり 箱詰めの黙示」と、より不安定な楽曲を投与し、さらに奇妙な空間へ移ろう。まるでメンバーが一人一人の生命を握っているかのよう。ここでは“光”や“望み”等という言葉は安く感じ、心の底にある闇を呪うことの方がむしろ安心を与える。それを「奈落」にて、胸に手をあて、倒れ堕ちていくRUKIの姿から切に感じるのであった。救いは何処にあるのか、目の前のthe GazettEだけが頼りとなったオーディエンスは、操り人形や兵隊を思わせるほど不自由さを醸し出す。そんな彼らへの情が顕著となった「体温」「千鶴」で、天を仰ぎ歌い、膝を叩きもがいて、首が座らず、遠い目をするRUKIから目が離せず、胸が熱くなっていった。

 そこから「OMINOUS」「13STAIRS[-]1」で葛藤しながらも歩み始め、「DIM SCENE」で平常を取り戻していくといった情緒不安定な多重人格性をさらけ出すメンバーが何処か、恐ろしさを感じさせる。そして「DOGMA」にて、第二夜<LUCY>の序章を告げるのであった。

・第二夜<LUCY>「望み通り、俺らが殺してやるからよ!アハハハ…!」

 「お前たちのその愛しい首を刈りに来ました。」と言うように、the GazettEは恐怖の殺人鬼に扮して登場。「RAGE」~「HEADACHE MAN」と昨夜のセットリストとは打って変わり、冒頭から髪が乱れ舞う。そこで“生きて帰れるか、ここで死ぬか、お前ら次第だ”と煽られ、「GABRIEL ON THE GALLOWS」に死ぬ気でかかっていくオーディエンス。死も恐れずに挑んでくる彼らへはご褒美とでも言うかのように、さらに「COCKROACH」「VERMIN」とフルスロットルで畳み掛けていった。

 「望み通り、俺らが殺してやるからよ!アハハハ…!」狂気に満ちた笑いに似合う、カッコよすぎるその様で、the GazettEは乱舞の手を止めない。RUKIの腰を振っての煽りに沸いた「The $ocial riot machine$」~「関東土下座組合」まで、時間もあっという間に過ぎ、本編は終了。オーディエンス誰一人残らず殺しにかかる、そんな優しささえ覚えた。

 アンコールは、戒(KAI)の「後先考えずに、みんなでここに首を置いて帰りましょう! かかってこーい!!」でスタート。<LUCY>ではいつも以上に狂気溢れる楽曲が届けられたが、彼らはまだ終わらせる気はないようだ。そして「この地獄をお前らと共有できていることに感謝」と改めて告げるRUKIが、友達のユージ君(チェーンソー)を紹介する一幕も。最後は、「また次会うときまで、しっかりその首洗って待っててくれ!…… ここにいるお前らが、俺らの生きる理由だ!」と「TOMORROW NEVER DIES」で締めくくった。

・番外編 第一夜<アビス>アンコール「公開処刑はじめまーす」

 第一夜<アビス>は本編、その深い世界観を崩さぬようMCはほぼゼロ。そんなthe GazettEの意図を汲んで、時系列は前後するが、ここで第一夜<アビス>アンコール時のことを少し。

 どっぷりとその世界に浸るメンバーはMCでも、「本日は御来院いただき、誠にありがとうございます。」と茶目っ気ある挨拶。今夜は重病患者様が多いと聞いたRUKI先生はじめとする、the GazettEの先生方一同は約6年ぶりのアビス/LUCYで、ある二極面を提示し、バンドの成長をも感じることが出来たと語る。また、<アビス>の濃い世界を壊さぬため笑わないよう努めていたというメンバーだが、この場において一風変わったキャラクター系のコスプレをしてきた観衆に、幕が開いた瞬間クスっと笑ってしまったことも吐露する。またKAI戒の誕生日をサプライズで祝福するパートも設けられ、REITAの粋な説明もありつつ、RUKIの「公開処刑はじめまーす」でロシアン・ケーキ的なプレゼントが渡される。が、引きの強い戒は見事…食用昆虫がトッピングされたケーキをセレクト。だが戒は「愛しか感じないね!」と、会場は和やかな祝福の笑顔に包まれていった。

 そして「アンコールはよく首を振って、暴れて、ここにいる全員、無事に元気に退院して帰ってください。」と「ザクロ型の憂鬱」~「関東土下座組合」でみなの元気な姿を確認し、一夜を終えていた。

 と、いったように今回の【SPOOKY BOX】では、いろんな一面を見せてくれたthe GazettE。(LUCYにて)「ウチらの出したものに対してどこまでも頭を振って暴れてくれて、応えてくれる皆さんに非常に感謝しています。」と彼らも言っていたが、“ライブは皆で作るもの”だということを改めて認識させられる。それは、「今夜は殺しに来たんですけど、今日やってて最高に楽しかったんで、そしてこれからもまだまだヤバイことがいっぱいあるんで、殺すのは止めときます! またこの場所で会いましょう!」という意地悪な言葉の中にあるthe GazettEの愛情が、しっかりと伝わってくるからであろう。来年、新作リリース発表や新たな催しを匂わせる彼らの頭上にはこの日、ハロウィンらしい怪しく雲に潜む月があがっていた。

◎最新告知動画(the GazettE Official YouTube Channel)
・NEW LIVE DVD and BLU-RAY SPOOKY BOX2 OFFICIAL TRAILER
https://youtu.be/O4EYujRW4oU

・the GazettE 2018 OFFICIAL TEASER
https://youtu.be/oPozc_wQ7kQ

◎セットリスト
【HALLOWEEN NIGHT 17 THE DARK HORROR SHOW SPOOKY BOX 2 アビス/LUCY】
2017年10月30日(月)東京・豊洲PIT
<アビス>
01.Bath Room
02.DRIPPING INSANITY
03.BIZARRE
04.BURIAL APPLICANT
05.虚無の終わり 箱詰めの黙示
06.奈落
07.RUTHLESS DEED
08.DEUX
09.体温
10.千鶴
11.OMINOUS
12.13STAIRS[-]1
13.TO DAZZLING DARKNESS
14.DIM SCENE
15.DOGMA
EN01.ザクロ型の憂鬱
EN02.赤いワンピース
EN03.Ruder
EN04.LINDA ~candydive Pinky heaven~
EN05.TOMORROW NEVER DIES
WEN01.関東土下座組合

2017年10月31日(火)東京・豊洲PIT
<LUCY>
01.RAGE
02.DAWN
03.HEADACHE MAN
04.BEFORE I DECAY
05.GABRIEL ON THE GALLOWS
06.VENOMOUS SPIDER’S WEB
07.CLEVER MONKEY
08.Maggots
09.COCKROACH
10.VERMIN
11.The $ocial riot machine$
12.UGLY
13.BLEMISH
14.DISCHARGE
15.関東土下座組合
EN01.INSIDE BEAST
EN02.Psychedelic Heroine
EN03.Filth in the beauty
EN04.ATTITUDE
EN05.TOMORROW NEVER DIES
WEN01. LINDA ~candydive Pinky heaven~

◎リリース情報
ライブDVD・BD『HALLOWEEN NIGHT 17 THE DARK HORROR SHOW SPOOKY BOX 2 アビス-ABYSS- LUCY-ルーシー- LIVE AT 10.30 AND 10.31 TOYOSU PIT TOKYO』
2018年 2月28日(水)リリース決定!
詳細は後日発表

the GazettEオフィシャルサイト:http://the-gazette.com
SONY the GazettEページ:https://www.sonymusicshop.jp/m/arti/artiItm.php?site=S&cd=70006133


音楽ニュースMUSIC NEWS

テイラー・スウィフト/SEVENTEEN、2023年のIFPIグローバル・アルバム・チャートを席巻

洋楽2024年3月29日

 テイラー・スウィフトとK-POPが、2023年のグローバル・アルバム・セールスのベンチマークとなったことが、IFPI(国際レコード産業連盟)が発表した新しいデータで明らかになった。  先週発表された「グローバル・ミュージック・レポート20 … 続きを読む

カルヴィン・ハリス、【ウルトラ】でのセットへの“期待以下”というコメントに反応

洋楽2024年3月29日

 現地時間2024年3月24日、カルヴィン・ハリスが、米マイアミで開催された【ウルトラ・ミュージック・フェスティバル】でメイン・ステージのヘッドライナーを務めたが、いくつかの批判的なコメントが寄せられたため、パフォーマンスを擁護した。  米 … 続きを読む

ちゃんみな、新曲「FORGIVE ME」が伊原六花の地上波連ドラ初主演作『肝臓を奪われた妻』主題歌に

J-POP2024年3月29日

 ちゃんみなの新曲「FORGIVE ME」が、4月2日深夜スタートの日本テレビ系火曜プラチナイト・ドラマDEEP『肝臓を奪われた妻』の主題歌に決定した。  『肝臓を奪われた妻』は、最愛の夫に騙され、義母の肝臓ドナーとさせられてしまった主人公 … 続きを読む

柳沢亮太(SUPER BEAVER)、FM802春のCPソングを担当 アイナ/スキマ・大橋/GLAY・TERUなど参加

J-POP2024年3月29日

 FM802が毎年春に実施する『ACCESS!キャンペーン』のキャンペーンングを、今年は柳沢亮太(SUPER BEAVER)が担当、参加アーティストも発表となった。  楽曲タイトルは「はなむけ」で、参加シンガーに、アイナ・ジ・エンド、大橋卓 … 続きを読む

カニエ・ウェスト、ケンドリック・ラマー/ドレイクより勝っていると主張「GOATは一人しかいない」

洋楽2024年3月29日

 現地時間2024年3月28日、カニエ・ウェストことイェーがインスタグラムに投稿し、『ザ・ライフ・オブ・パブロ』に収録されているケンドリック・ラマーとのコラボ曲「No More Parties in L.A.」でケンドリック・ラマーに勝った … 続きを読む

Willfriends

page top