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シドが、10月27日に東京国際フォーラム ホールAで公演を行った。この公演は全国ホールツアー『SID TOUR 2017 「NOMAD」』の全16本中8本目のちょうど折り返し地点であり、各地SOLD OUT続出中のこのツアーは約3年半ぶりにリリースしたオリジナルアルバム『NOMAD』という新しい楽曲郡を携えたシドの進化の過程を感じさせる瑞々しいステージが展開された。
大歓声の中、まっ白な衣装に身を包んだメンバーがステージに登場。沸き上がるフロアの熱に応えるようにマオ(vo)が、続いて明希(B)とShinji(G)が高く右手拳を突き上げたところでライブがスタート。ステージは「硝子の瞳」や「バタフライエフェクト」「螺旋のユメ」のシングル曲をはじめとする『NOMAD』の楽曲を中心に、「嘘」や「ANNIVERSARY」などの新旧織り交ぜた内容で、オーディエンスの多幸感を引き上げていった。
ツアーも中盤戦とあって、『NOMAD』に収録された新曲でのメンバーとオーディエンスの呼吸もぴったりで、凛としたマオの歌声が響いた「NOMAD」では、ゆうや(D)が打ち鳴らすリズムに合わせて手拍子が沸き、Shinjiのソリッドなギターイントロが炸裂した「XYZ」では会場が一体となって拳を振り上げる。大合唱が起こった楽曲では、全員の声を笑顔で受け止めるメンバーの姿があった。誰も置いていかない、一人残らず絶頂へと連れていく度量の大きさを、彼らのステージから感じ取れた。
さらに特筆すべきは多彩な『NOMAD』の楽曲でみせるメンバーのプレイの秀逸なこと。もともとシドはテクニカルなバンドとしても定評があるが、ジャジーな「KILL TIME」では、ゆうや、明希、Shinjiそれぞれをフィーチャーするソロパートを色気のあるプレイで魅せ、3人のアンビエントなセッションから始まった「低温」は、重厚でありながら躍動感もあり、新しいシドを感じさせられた。そして、それぞれの曲に乗るマオのヴォーカルはとても表情豊かで雄弁だった。
終始、温かい空気に包まれていた本編。「東京!めっちゃ気持ちいいなあ。ありがとうございました!」と感謝の気持ちを伝えると、メンバーは笑顔でステージをあとにした。
アンコールは「懐かしい気持ちで歌ってました」と、インディーズ1stアルバム収録の「青」からスタート。会場に広がる笑顔を見つめながら、マオは「大きい声で俺たちに愛を届けてくれて、本当に嬉しいです。普段からみんなのことを4人ともいつも思ってます。ここからシドは15周年。生きる意味を一緒に探して、ファンのみんなと一緒に歩いていこうと思います」と語り、「最後はこの大切な歌をみんなに届けて終わりたいと思います」と、「普通の奇跡」を歌い上げた。
2018年は結成15周年、メジャーデビュー10周年という節目の年を迎えるシド。さらなる飛躍を胸に誓い、11月25日(土)のツアーファイナルまで、全国を駆け抜ける。
Photo by 西槇太一
Text by 大窪由香
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