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ポスト・マローンは、米ニューヨーク州シラキュース出身の22歳。年齢不相応な(?)髭面や、独特なヘアスタイルにグリルなど、ビジュアル面でも話題に事欠かない注目の新星ラッパー。2015年8月にリリースしたデビュー曲「ホワイト・アイバーソン」が、ポップ14位/ラップ・チャート3位をマークし、この曲や今年初頭に大ヒットした「コングラチュレーションfeat.クエヴォ」などが収録されたデビュー・アルバム『ストーニー』(全米6位)は、リリースから10ヶ月経った今も、アルバム・チャートでTOP10にランクインする超ロングヒットを記録している。
新曲「ロックスター」は、その前作『ストーニー』から1年振りとなる2枚目のスタジオ・アルバム(タイトル未定)からのリード曲として9月15日に発売され、10月7~14日付の全米ビルボード・ソング・チャートで、初登場から2週連続の2位をマークしている。この曲で、前述の「コングラチュレーション」の8位を上回る自己最高位を更新し、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドなどの主要国では、自身初のNo,1獲得を果たした。
ラッパーである自身を「ロックスター」の気分になって歌う、この曲。金庫に入った札束、警察官を欺く様、コカインというダイレクトなワードまで飛び出す、なかなかハードな歌詞が若者を中心に受けているようだが、その卑猥さを軽減させているのが、ポスト・マローンの落ち付いたフロウ。テンポを落としたトラップ・サウンドに乗せて、淡々と喋るように繋いでいく退屈さが、ダーティーなイメージを抑え、中毒性を高めている。女性を軽視するような表現も多数見受けられるが、そんなことはお構いなしといった媚びない姿勢も、「ロックスター」らしい。
海外のゴシップサイトなどによると、ポスト・マローンは学生時代にヘヴィメタルバンドを組んでいたようで、フォークギター片手に、胸まで伸ばしたカーリーヘアで写る写真も流出している。音楽をはじめるキッカケも、ヒップホップやR&Bなどではなくロックだったようで、歌詞に出てくる「ロックスター」は、この頃に憧れていた“誰か”について歌っているのかもしれない。該当するアーティストが多すぎて、誰だとは断定できないが…
フューチャリング・ゲストとして参加した、21サヴェージのクセのあるラップも本作の聴きどころ。ソフトに歌うポスト・マローンのパートとは対照的に、低音で攻撃的な21サヴェージのラップがいい味を出している。21サヴェージは、7月にリリースしたデビュー作『Issa Album』が全米アルバム・チャートで最高2位をマークし、本作からのシングル「バンク・アカウント」もスマッシュヒットを記録。ポスト・マローン同様、これからのヒップホップシーンを担うアーティストで、彼らの初コラボ曲が、それぞれにとって初の全米No.1獲得となればさらに勢いを増すだろう。
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