【宮野真守】 ファンのみなさんや仲間からもらった“愛”への感謝

2017年7月20日 / 00:00

(okmusic UP's)

“THE LOVE”をタイトルに掲げるニューアルバム。アーティストデビュー10周年を来年に控えたシンガーとして熟した今だからこそ、十二分なスキルと周囲への感謝に裏打ちされた多彩な楽曲が並んでいる。その温かで幸せな愛の波動を存分に味わってほしい。
いつもライヴで“愛”を感じる。 幸せな時間ってここにあるんだなと

──今回のジャケットは屋久島での撮影ということですが、“神秘の島”や“生命の島”と呼ばれる場所と“THE LOVE”というタイトルには、やはりつながるものがあったのでしょうか?
「そうですね。こういうタイトルのアルバムですが、決してラブソング集ではないんですよ。しっかり“愛”というものをテーマに、エンターテインメントできれば…と考えて向かっていった時、それをビジュアルでどう表現するかというところで悩んだんです。そこでスタッフと相談したところ、屋久島という案が出て。僕が伝えたかったものや自分が感じたものを、命の根源というか、愛の根源に満ちた場所でしか切り取れない表情で表現したら、またこのアルバムが素敵になるんじゃないかということで屋久島を選びました。」
──実際に行ってみて、何かパワーは感じました?
「僕はスピリチュアルなことにすごく興味があるほうではないので、パワースポットを巡ったりとか今までしたことがなかったんですけど、そんな僕でも何か神聖なものというか、命の大きさをすごく感じて、ここに神様がいるんじゃないかと心の底から思えました。実は撮影の日は雨の予報だったのに、晴れて自然の光がきれいに差してくれたりとか、そういうことも含めて島に歓迎してもらえたのかなと、非常に大きな愛を感じました。」
──ラブソング集ではないとおっしゃいましたが、つまり、恋愛を歌ったアルバムではないということですよね?
「はい。友情や家族愛だったり、いろんな愛をテーマにしています。何より今日に至るまでにたくさんの方々と出会い、ファンのみなさんや仲間たちから本当にたくさんの愛をもらってきた…そのみんなの想いや絆がなければ自分の活動はできてないと、すごく感じているんです。その想いをひとつの作品としてみんなに伝えたいというところから、今回は“愛”をテーマにしました。それに僕の音楽活動は本当にいろんなクリエイターの方々とやらせていただいているので、いろんな世界を演じることができるのがひとつの強みなんですよね。なので、こちらから提示してほしい世界観はお伝えしつつ、それぞれの方が持つ愛のかたちによって激しい曲もあれば温かい曲もあり、今回もバラエティーに富んだラインナップになったと思います。」
──そんな中で宮野さんご自身が作詞された1曲目「EVER LOVE」は、今おっしゃったようなアルバムコンセプトが体現されている曲だなと。
「そうなんです。初めからJin(Nakamura)さんに“1曲目に相応しいような、これから始まる感のあるポップで幸せな明るい曲で、このアルバムのコンセプトを表現できるものを一緒に作っていきたい”とお願いしました。今日までいろいろ活動してきた中で、ライヴで愛あふれる空間をみなさんと一緒に過ごすと、“あぁ、こうやって愛は作られていくんだ。幸せな時間ってここにあるんだ”って感じるんですよ。ですから、みなさんへの感謝の想いを伝えつつ、自分の人生を歩いていく僕自身やみんなの姿を応援できるような曲にしたかったんです。」
──その「EVER LOVE」から2曲目の「SHOUT!」でガン!と上がる展開も爽快で。そんな「SHOUT!」をはじめ、シングル4曲が上手く織り込まれていますよね。
「このアルバムに入ることで、愛の曲だったんだ…という輝きをシングルたちが見せたことには、また驚かされました。考えてみれば、愛って必ず相手がいるものなんですよね。例えば自分をブチ破ろうとか、声を高らかに自分の想いを叫ぼうと歌っている「SHOUT!」にも、その想いの向かう相手がいる。「HOW CLOSE YOU ARE」で描かれているのも普遍的な愛で、遠く離れていてる大切な人への想いだったり。このアルバムに入ることによって、やっぱり愛の曲だったんだと改めて気付かされました。「テンペスト」や「The Birth」も含めて4曲とも主題歌となる作品の中で書かせていただいている歌詞なので、やっぱり相手がいるんですよね。そうするとその人への想いが色濃く出て、作品から離れたところでも愛の歌として響くんです。」
──そこに新曲が8曲加わっているわけですが、どのように選曲していったのでしょうか?
「いろんな愛を表現するということで、絶対に入れたかったのが無償の愛だったんです。そこで由潮さんにお願いして、やさしい子守歌のようなバラード「愛溢れる」を作っていただきました。そしたら、ちょうどその時、由潮さんのお腹に赤ちゃんがいて、そんな時にしか感じられないであろう素直な想いを全て込めてくださったんです! こんなやさしい歌詞はたぶんお母さんにしか書けないだろうし、僕も光が差し込むような中性的に響く音域で語るように歌いました。この曲を制作していたのが、ちょうどミュージカル『王家の紋章』の稽古中で、歌での表現の可能性をすごく感じていた時だったんです。また、新たな表現にチャレンジできたんじゃないかと思います。」
ひとりで歩いて行った前作の先に、 絆と仲間の待つ大事な場所があった

──かと思えば、「Space Travellers」のように歌詞も展開も珍しい曲もあったり。
「この曲はたくさんいただいたデモ曲のひとつで、壮大なRPGがスタートするかのようなシンフォニックなオーバーチュアから、疾走感のあるカッコ良いドラムンベースのクラブミュージックへの展開にひと聴き惚れしたんです。その上で今作のコンセプトに合うように、未来の恋人たちのロマンチックなデート風景という世界観を構築して、そういった歌詞をAmon(Hayashi)さんに付けていただきました。もう1曲デモから選んだのが「恋されガール」。こっちは曲のかわいらしさの中に物語が引き立つような歌詞がいいなぁと、少女マンガのような世界観を提案させてもらって。クラスでは目立たない子を好きになって、周りから“なんであの娘なの?”って言われても、自分は彼女の素敵なところを知っているんだ!というような、愛の芽生えみたいなところをmarhyさんに表現してもらいました。」
──つまり、その2曲以外は最初からクリエイター陣とのディスカッションで制作を?
「そうです。「Now and Forever」はTSUGEさんが三連の新しいダンスナンバーを作ってくださって、歌詞はダークな世界観もカッコ良いんじゃないかと、闇の世界から光を目指すようなイメージで書いていただきました。誰かを信じることで強くなれる力…“信じる愛”みたいなものを表現できたらいいなと。逆に「Uhh」は夏に出すアルバムなのでサマーソングが欲しいと思って、SHOWさんにワイワイとした友情ソングをお願いしたら、すごくさわやかな歌詞が出来上がってきて! 僕は車の免許を取ったのが最近なので、この歌詞に描かれているような、学生時代に自分が運転をしてみんなで車でワイワイと出かけた経験はないんですが、そういうのってその時にしかできない大事な時間なんですよね。みんなこれからそれぞれの道を選んで、今いるここではない場所にきっと向かうけれど、でも、この時を忘れない…っていう。」
──では、実体験というよりも演じた割合のほうが大きい?
「実体験ではないですが、高校の友達とワイワイと旅行に行ったこともあるし、何だったら今からでも遅くないし(笑)。それこそチームマモと僕が楽しんでいる姿を想像してもらったり、自分の似たような経験と照らし合わせていただければいいんじゃないかな。」
──いや、それにしてもアイデアの引き出しが豊富ですよねぇ。
「曲の世界観はプロデューサーと相談しながら決めていますし、やっぱり楽曲に引っ張ってもらっているところも大きいと思いますね。役者もやらせていただいている僕としては、作品に引っ張ってもらって表現するという自分のやりたいことができて、楽しく歌わせてもらっています。」
──じゃあ、資料のほうに“マモがペットに?”という説明書きのある「僕のマニュアル」も楽しく演じられました?
「そうですね。ペットになるというか、この曲は強気なネコ系男子の歌で、なかなかなびかない恋の駆け引きみたいなところが描かれているんです。そんな中、いつも僕の作品でジャズ枠を担当してくれている市川 淳さんが、昭和歌謡のようなレトロな雰囲気でゴージャスに魅せる曲を作ってくださったんですよ。ドゥーワップみたいな低音ヴォーカルにも挑戦して。ただレトロポップと言えども、クリエイターさんが新しい要素も入れて作っているから、やっぱり新鮮に響くんですよね。本当にバラエティーに富んだ曲が集まったので、曲順は相当大事だなと、この1枚でライヴができるようなイメージで組んでいきました。」
──となると、歌詞を共作されている「POWER OF LOVE」も最初からアルバムの最後に置くつもりで制作を?
「まさに。自分の想いをしっかり打ち出した「EVER LOVE」があって、さらにその想いをみんなとひとつにして絆を確かめ合える曲でラストを飾りたいと、STYさんにお願いしました。前作アルバムの『FRONTIER』でもSTYさんとは表題曲でもご一緒したんですけど、その時は自分という人間の生き様だとか決意表明を強い言葉で綴って、MVでもアメリカの広い荒野をひとり大地を踏みしめて歩いて行く…という映像を作ったんですね。そして、この「POWER OF LOVE」は、そうやって歩いた先にある曲でありたいと思ったんです。ひとりでしっかり歩いて行った先には、こんなに仲間がいて、そして絆があって、ここが僕の大事にしたい場所なんだ…というところに辿り着いたイメージの曲にしたかったので、MVもファンクラブイベントでファンのみなさんと一緒に撮って。よりライヴ感を意識して、みんなで絆を感じながら手をつないで歌いたいと楽曲もゴスペルでお願いして、まさに自分がつないできたものが表現できたんじゃないかなって感じています。」
──『FRONTIER』で決意表明して進んだ先が今回って、宮野真守の流れとしては非常に美しいですね。
「そうなんです。まるで『FRONTIER』を出した時から考えていたかのような(笑)。」
──それも必然だったんですよ。何だか今回のアルバムはシンガーとしての成長だとか進化の一歩先にある、もっと大きな作品のように感じます。
「ありがとうございます。いろいろ経験してきたからこそ、“THE LOVE”という強い言葉を、このタイミングで打ち出せたんだと思いますし、不思議とハッピーな空気が感じられる作品になりました。何より来年迎えるアーティスト活動10周年の手前に出せたというところは大きいですね。コンセプチュアルな作品で改めてみんなとの愛をしっかりと打ち出せたので、アルバムを引っ提げてのツアーではハッピーで温かい時間を作りたいです。」
──全国都市公演と史上最多のツアーになりますが、まだまだ行ったことのない県も多いですよね。やってみたい場所って、どこかあります?
「ジャケット撮影で訪れた屋久島でもやってみたいですね! 島全体がパワースポットですから、海岸とか砂浜とかの野外でも素敵ですよね。いつも考えているのは自分の想いや感謝を伝えていきたいということで、それに対して誰かが“指針になった”と言ってくださることが、僕にとってはすごくありがたいんです。そうやってみなさんからいただいた想いを伝えるというかたちで、これからもいろんな作品を作っていきたいですね。」
取材:清水素子
アルバム『THE LOVE』
2017年8月2日発売

KING RECORDS

【初回限定盤(Blu-ray付)】

KICS-93504 ¥3,700(税抜)

※32Pフォトブック封入&スペシャルケース仕様

【初回限定盤(DVD付)】

KICS-93505 ¥3,700(税抜)

※32Pフォトブック封入&スペシャルケース仕様

【通常盤】

KICS-3504 ¥3,000(税抜)
ライヴ情報
『MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2017』

9/02(土) 岡山・岡山市民会館

9/09(土) 石川・本多の森ホール

9/15(金) 大阪・オリックス劇場

9/16(土) 大阪・オリックス劇場

9/18(月) 北海道・わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)

9/23(土) 静岡・静岡市民文化会館 大ホール

10/01(日) 群馬・ベイシア文化ホール(群馬県民会館)

10/07(土) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール

10/08(日) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール

10/15(日) 神奈川・横浜アリーナ

10/28(土) 宮城・ゼビオアリーナ仙台

10/29(日) 宮城・ゼビオアリーナ仙台
宮野真守
ミヤノマモル:『DEATH NOTE』『機動戦士ガンダム00』『ポケットモンスター ベストウイッシュ』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』『ちはやふる』などのアニメ作品に加えて、『ファンタスティックビースト』などの吹き替えにも出演する人気声優。2008年よりアーティスト活動をスタート。これまでにシングルやアルバムなどを精力的にリリースしている他、09年からは積極的にライヴも行なっており、16年12月には横浜アリーナ2デイズ公演を成功させた。


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