陰陽座 Blu-ray/DVD『絶巓鸞舞』発売記念リレーコラム第二回目:招鬼

2017年6月14日 / 18:00

ツアーの大きなトピックは新たなギターの導入

“妖怪ヘヴィメタル”という惹句を掲げ、人間のあらゆる感情を映す“妖怪”を題材とし、道なき道を切り開く信念を“ヘヴィメタル”の名の下に貫く、陰陽座。最新アルバム『迦陵頻伽(かりょうびんが)』を引っ提げた2本のツアーを終えたばかりの彼らが、メンバーそれぞれ同ツアーの感想であり、ツアーに欠かせないアイテムについて語ってくれるリレーコラム『頻伽の魂合いを認めるが如し(びんがのたまあいをしたためるがごとし)』。その第二回は招鬼(Gu)が登場!
陰陽座13枚目のアルバム『迦陵頻伽』、そしてそれを引っさげた2つのツアー『絶巓の迦陵頻伽』『頻伽の聲に応ずるが如し』をギタリストの視点から振り返ってみて、大きなトピックになるものといえば、やはり新たなギターの導入ということになるでしょう。

アルバム『迦陵頻伽』からは新たに全弦1音半下げチューニングでの楽曲と7弦ギターを用いた楽曲が登場しました。
まず1音半下げチューニング。レコーディングではまだしも、そのチューニングに適した弦のゲージ(太さ)と、それによるテンションというものがあり、ライヴで最高のパフォーマンスをするためには従来のチューニングで使用しているギターを併用するわけにはいかないので、新たに専用として用意する必要が出てくるわけです。現在Gibson Custom Shop製のLes Paul Customを気に入ってメインで使用しているのですが、これはレギュラーラインのギターではないので、容易く「もう1本」というわけにはいきません。しかし奇跡的に同年代製・同仕様・色違い(何気に暗いステージ袖では特にこの明らかな見た目の違いが重宝します)の物が見つかったのです。そんな「出会い」により、ステージでも大活躍してくれました。今までのメインとほぼ同じ物ということで違和感のないサウンドとプレイアビリティで、これからも新たなメインの1本として活躍してくれるでしょう。

もうひとつ7弦ギター。これは言うまでもなく新たに入手する必要があったわけですが、困ったことに市場に「コレだ!」と思える自分が求める7弦ギターが存在しなかったため、どうしようかと非常に困りました。そんな中、瞬火から「TUNE(瞬火のベースを製作しているギター・ベースメーカー)で頼んでみれば?」と紹介してもらい、快く引き受けてもらえたことにより、「無いなら作るしかない!」ということで、オリジナルの7弦ギター『烏天狗』を製作する運びとなりました。瞬火のベースで高い技術力は折り紙付きだったこともあり、安心して材やデザインと細部にまでこだわってオーダーした結果、本当に理想の7弦ギターを作っていただけました。材やパーツなどの仕様はメインのLes Paul Customと近いものになっていて、そのサウンドは、ガツンと強く鋭いインパクトと唸るような粘りが存分に出せ、自分のこだわりや持ち味が発揮でき、音は太いが低音が潰れないという単純に7弦ギターとしてのクオリティも最高のギターとなっています。
自分は、楽曲的にサウンドをガラッと変える必要がある場合は別ですが、基本的なプレイアビリティという点で、メーカーやシェイプにこだわらず、いろんなギターを使い分けることができる器用なタイプではありません。上記のニューギターは、そこをクリアできたのが非常に大きかったなと思っています。

そんなニューギター達も大活躍の、ツアー2016『絶巓の迦陵頻伽』の千秋楽のステージを丸っと丸ごと収めたBD/DVD『絶巓鸞舞』、こちらは当日参加された方からそうでない方、今まで陰陽座にふれたことのない方まで、すべての方にお勧めしたい作品となっています。サウンドから映像まで最高傑作といえる作品に仕上がっていますので、アルバム『迦陵頻伽』と合わせて是非手にとってみてください。
ツアーに欠かせないアイテム

ツアー中のお出かけ用バッグ。ツアー中は各地で、本番日前日の体の慣らし運転も兼ねてよく散歩をするのですが、500mlのペットボトルの飲み物から財布、携帯までスッポリ入るので、ちょっとの買い物から水分補給しつつの散歩まで、長年愛用しています。全国各地を一緒に歩いた相棒です。
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