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サンタナが4月22日、約4年ぶりの来日公演となるジャパン・ツアーの初日公演を岩手・盛岡市民文化ホールにて開催。当日のライヴレポートが届いた。
サンタナ、約4年ぶりとなる来日公演の初日。ここ、岩手県盛岡市においては初めての公演となる。会場に集まって来る人をみていると、こんなにいたかと思うほど、間違いなく長年の洋楽ファンの方々が圧倒的多数を占めている。女性も結構多く、ちらほら親子組らしき人達もいる。皆が公演を心待ちにしていた雰囲気がじわじわと伝わってくる。
開演時刻を10分ほど回り、BGMで流れていたドアーズの「ハートに火をつけて」が終わって…ついにステージがスタートした。シンディ・ブラックマン・サンタナの打ち出す熱いリズムが会場に響きわたり、続いてアンディ・バーガスとレイ・グリーンのヴォーカル2人がステージに登場するやいなや、観客をあおり始める。すると…余りにもノリが良い、ラテンのリズムと雰囲気に一気に包まれた観客は、なんと、コンサートが始まって30秒も経たないうちに総立ちになる! 普段はおとなしい岩手の人間のどこにこんなパワーがあるのか、と驚くほどだった。ラテンなビートと音楽に満たされた会場はさらにヒートアップするばかり。外はまだまだ花冷えの盛岡なのに、会場はまるで真夏のビーチかどこかのパーティーのように盛り上がっていく。そこは居ても立っても居られない、というような嬉しさ満杯の感覚に包まれているようで、観客全員がとても幸せそうな表情をしていて、思わずこちらも嬉しくなってくるのだった。
今回のツアーは、カルロス・サンタナの他に以下の8人。サンタナの奥様・シンディ・ブラックマン・サンタナ(Ds)、ベニー・リートヴェルド(B)、カール・ペラーソ(Per)、アンディ・バーガス(Vo)、トミー・アンソニー(G/Vo)、デイヴ・マシューズ(Key)、パオリ・ メヒアス(Per)、レイ・グリーン(Vo)。
バック・スクリーンには演奏曲にちなんだ映像が映し出される。世界各国の仏像や遺跡、またアフリカの人々のダンス、リズム等々…それはサンタナからのメッセージでもあるようで、サンタナの音楽世界がぐっと身近に感じられる気がする。また、同時にステージ上のパフォーマンスのみならず、観客の映像も流れる。アンコールでは懐かしいあのウッドストックの映像が流れた。現在のサンタナ自身の映像とクロスするのも面白い。
そもそもライヴの魅力は、ナマ音の洪水に身をゆだねることで、周りとの一体感を感じられる事などもあると思うのだが、純粋に当たり前だったことを改めて感じさせられた、素晴らしいライヴだった。サンタナ・バンドのメンバーはそれぞれが個性的なプロフェッショナルであり、彼らの演奏はぐいぐいと私達をその世界に引き込み、観客は全員、いつの間にかサンタナ・ワールドの虜になっていたといっても過言ではない。サンタナが世界的ヒットメーカーであることを再認識したのだが、あらかじめ知っている曲があるかどうかなどは関係ない。それを聴く人が誰でも間違いなく120%感動を覚えるライヴである、と断言できる内容なのだ。約2時間10分に及ぶ充実のライヴだった。ほとんどの観客は、一度も腰かけることなく、リズムに合わせて体を揺らし続けていた。
演奏曲(一部)
マリア・マリア
ブラック・マジック・ウーマン
僕のリズムを聞いとくれ
スムーズ
哀愁のヨーロッパ
御年70歳になるサンタナのパワーには圧倒されるばかり。デビューから半世紀も変わらない音楽に対する情熱・スピリットがあるからこそ、サンタナの音楽は常に変化し続けているのだと感じる。「衰えを知らない」などという表現は全くあてはまらず、それどころか、若々しくすら感じる。本当に今日のライヴを体験出来て良かったと思う。これを逃していたら、100年たっても悔やまれる。サンタナの妥協しないスゴさにカンパイ! また盛岡で演奏してほしいし、ぜひサンタナのライヴを未体験の人にこそ勧めたいライヴだ。
Photo:Reiichi Saito
◎ツアー情報
【SANTANA “TRANSMOGRIFY TOUR 2017”】
4月22日(土)岩手・盛岡市民文化ホール
4月24日(月)大阪・大阪市中央体育
4月25日(火)名古屋・センチュリーホール
4月27日(木)東京・日本武道館
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