流されがちな毎日に“待った!”をかけてくれる5曲

2017年4月10日 / 18:00

「大人の言うことを聞け」収録アルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol. 4』/NakamuraEmi (okmusic UP's)

いろんなことが終わったり始まったり、いつも以上に何かと慌ただしいのが春ですが、そんな中でもいっぱいいっぱいにはならないようにしたいなと思う今日この頃。自分のことばかりで人にやさしくできないのは嫌だし、他人の目を気にしすぎて本心が言えないのも健全ではないので、なるべく、フラットでいたいものです。政治の話も普通にしたらいい。未来がどうでもいいわけじゃないし、税金を納めているわけだし。協調性も大事だけど、無関心は恐い。テキトーに生きたくない。…なんてなことを思う時に聴きたくなる5曲です。

1.「大人の言うことを聞け」(’17)/NakamuraEmi
愚直に自分と向き合い続けるシンガーソングライター、NakamuraEmi。「大人の言うことを聞け」はメジャー2ndアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.4』のリード曲です。タイトルで全てを判断せずに、まずは聴いてほしい! 真のメッセージが伝わった時には、もう胸が熱くなっているはずだから。主体性を持つことの大切さ、思い出せます。最近の若手ロックバンドなんかよりもよっぽどズバッと核心を突いていて、とても気持ちのいい歌。彼女の歌うことは信用できる。

2.「ガストロンジャー」(’99)/エレファントカシマシ
デビュー30周年に合わせて『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』がリリースされたばかりなので、改めてプッシュ! 1990年代の最後に宮本浩次(Vo)が放ったメッセージ…例えば《お前正直な話率直に言って日本の現状をどう思う?》《もっと力強い生活をこの手に!》は、本人もベスト盤の推し曲のひとつに挙げているだけあって、2017年の今日でもまだまだ響くんです。“納得いかないことにはちゃんと声あげようぜ”っていう、実は至極当たり前のことを歌った名曲。

3.「Beep! Beep!」(’16)/グッドモーニングアメリカ
“音楽に政治を持ち込むな!”みたいな偏った考えも飛び交いがちですが(日本だけ?)、そんな中にあっても疑問に感じたことを歌う、曲にする人のほうが好きだし、表現者として真っ当だと思います。「コピペ」という曲だったり、グドモは時代の不穏なムードを切り取るのが上手い。ここで聴こえてくるのは、誰もが漠然とは分かっている現状。“Beep!”は警笛などの“ビーッ”という音のこと。“ビーッ”で思い出したけど、ザ・クロマニヨンズの「B&K」もいい警鐘ソングです。

4.「だってネットに載ってたもん」(’16)/音速ライン
クラウドファンディングで制作したアルバム『鋼鉄の魔法使い』に収録。クリエイターの箭内道彦が作詞を手がけた、最高にシニカルなロックナンバーです。“ネットに載ってた”に、“だって”と“もん”が付くことで際立つ幼稚さがエグい(笑)。音速ラインならではのセンチメンタルで美しいメロディーでありながら、この仕上がりは面白いなと。フェイクニュースも多く、ネットリテラシーが求められる時代だけに、刺さりまくりますね。自分の目で見たものを信じたい!

5.「伝言ゲーム」(’13)/ハルカトミユキ
こちらもシニカルでポップな、ハルカトミユキの初期ナンバー。今の世の中にあふれる同調主義とか匿名批判とかを上手く抉った楽曲で、最近のライヴではピッチを上げてよりカッコ良くなっています。《協調性が大事ですから 前ならえして並びましょう 足並み揃えられない人は 廊下に立ってろ》なんて、行きすぎた愛国心みたいな話にもつながるようなテーマでめっちゃタイムリーに聴けるはずなので、自分らしさを取り戻したい人はぜひ! グランジ感のあるコード進行も素敵です。


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