清春のグラマラスなロックの美学が炸裂! 『TOUR天使の詩 ‘17「夜、カルメンの詩集」CARMEN’S CHARADE IN DESPAIR』ファイナル

2017年2月27日 / 18:45

2月26日(日)@新宿ReNY (okmusic UP's)

昨日2月26日(日)、清春の『TOUR天使の詩 ‘17「夜、カルメンの詩集」CARMEN’S CHARADE IN DESPAIR』が東京・新宿ReNYにて幕を閉じた。1月26日に恵比寿LIQUIDROOMから始まった全国ツアーの最終夜にあたるこの公演は、終始華やかな空気に満ち、清春と彼を愛する者たちが至高の音楽を共有する空間となった。

午後6時20分頃、ソールドアウトの場内が暗転すると、ダンサブルなSEが鳴り響く。1曲目の「赤の永遠」で闘牛士のように華麗に舞う清春。続く「夜を、想う」で赤の世界を深めると、開演前からすでに上機嫌だった観客の表情がさらに咲き誇った。

前夜に同会場で行なわれた公演でも清春の好調ぶりは明らかだったが、ツアーファイナルにして、そのコンディションは最高の域に達している。彼の歌と五人のサポートメンバー達の技術力。プロフェッショナルの技とはこういうことなのだと感慨深くなる。

このツアーでは、叙情的かつ情熱的な新曲群が次々と披露されたのも見どころ。イントロが鳴った瞬間に踊り出したくなるような曲や、身体の隅々にまで染み込んでいくミディアムバラードなど、“夜、カルメンの詩集”というテーマに引き寄せられた新楽曲の数々が、本編中盤で情感たっぷりに奏でられる。それらの鮮やかな色彩を噛みしめるように味わい、清春の声に全神経を傾けるオーディエンスの姿には、いつ見ても心打たれる。

この新宿2公演で急遽披露されることとなった大橋英之(G)によるギターソロのコーナーは、スパニッシュ風のフレーズを豊かな感性で魅せるひと時。これが本編の良いアクセントとなっており、続く「シャレード」の心地よい浮遊感を際立たせていた。エモーショナルな「Masquerade」から鋭利なヘヴィネスを誇る「COME HOME」に至る本編終盤では、フロアから伸びる手が狂おしいほどに美しい。特に、「Wednesday」の最中に即興的にフルサイズで挿入された「20 th Century Boy」は、清春のグラマラスなロックの美学が炸裂する瞬間だった。

「貴方になって」でしっとりと導かれたアンコールで、観客はいよいよ夢心地に。

「HAPPY」でとことん幸せ気分に浸っても、まだまだその熱気が冷めることはない。

当然のように始まった2度目のアンコールの冒頭で、即興的に「アロン」を弾き語りした清春に、オーディエンスの視線は釘付けになる。こうしたロックスターの細やかな心遣いがファンにはたまらなく嬉しいものだ。この夜最後の曲「あの詩を歌って」では、フロアから“ラララ”の歌声が自然発生し、その幸福な光景を先導する清春が満ち足りた表情を浮かべていたのが印象的である。

この夜用意された全楽曲が着地点を迎える頃、時計の針は午後9時50分を指していた。約3時間半に及んだ演奏時間が瞬く間に感じるほどの濃密なライヴだった。前夜の公演で清春が叫んだ“笑って帰って、泣いて会いに来てください”という彼の名言でもある言葉が、現在の彼の音楽を端的に物語っている。彼の歌を聴けば、誰もが強く優しく生きられるのだ。

清春の2017年の活動は、まだまだ始まったばかり。3月から12月にかけては、『MONTHLY PLUGLESS 2017 KIYOHARU LIVIN’ IN Mt.RAINIER HALL「エレジー」』と銘打たれたプラグレス形式の公演が予定されている。33日間のべ66回にわたる、現在の清春のライフワークとでも呼ぶべき形態は必見だ。音楽の在り方を根本から考えさせてくれる贅沢な時空に、できる限り多く足を運んでほしい。また、4月にはsadsとしてのイベント出演も決定しており、こちらからも目が離せない。

どんな状況にあっても、この至福の音楽だけは誰にも奪うことができない。清春はこの先も麗しい歌声と佇まいで我々を魅了してくれるはずだ。

TEXT:志村つくね

PHOTO:柏田芳敬


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