エミネム/ミーゴス/ジェレマイら参加、ビッグ・ショーンによる渾身作『アイ・ディサイディド』(Album Review)

　ミシガン州デトロイト出身のラッパー、ビッグ・ショーンの通算4作目となるスタジオ・アルバム『アイ・ディサイディド』が、2017年2月3日に発売された。本作からは、先行シングル「バウンス・バック」が、ソング・チャート15位まで上昇中。ラップ・チャートで8位、R&Bチャートでは6位まで上昇するヒットを記録している。

　本作には、「バウンス・バック」のような最新のトラップ・ソングが満載で、先行で公開された「ムーヴス」や「サクリファイス」など、ズッシリ重たい、男臭いナンバーが目白押し。「サクリファイス」には、「バッド・アンド・ブージー」が首位を独走中の、ミーゴスがフィーチャリング・ゲストとして参加している。

　その他には、人気R&Bシンガーのジェレマイや、王者エミネム、トラックメイカーのザ・ドリームや、日系女性R&Bシンガー、ジェネイ・アイコとビッグ・ショーンで結成したユニット、トゥエンティ・エイティエイト(TWENTY88)もクレジットされている。

　プロデューサーには多くの名トラッカーが参加していて、メトロ・ブーミンやDJマスタード、フランク・デュークスやマイク・ディーンなど、ここ最近のラップ・チャートで、上位にランクインする楽曲を手掛ける名トラッカーたちの名前が連なっている。また、ゲストとしてではないが、制作側として、ラッパーのカニエ・ウェストやトラヴィス・スコットも参加している。

　ビッグ・ショーンは、これまでにジャスティン・ビーバーの「アズ・ロング・アズ・ユー・ラヴ・ミー」(2012年)や、ドレイクの「オール・ミー」(2013年)など、他アーティストのヒット曲に参加し、2014年にはE-40と組んだ「アイ・ドント・ファック・ウィズ・ユー」でラップ/R&Bチャート首位を獲得し、一気に知名度を高めた。

　また、日本でも大人気の歌姫、アリアナ・グランデの元彼としても有名で、2013年にリリースした「ライト・ゼア」でコラボを果たしている。これまでは、他のアーティストとセットで注目されてきたビッグ・ショーンだが、本作『アイ・ディサイディド』で、いちラッパーとして確立し、さらに活躍の幅を広げるだろう。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
『アイ・ディサイディド』
ビッグ・ショーン
2017/2/3 RELEASE
デジタル配信
https://goo.gl/eiJtD2