2017年の幕開け、○○周年を迎えたバンドたち5曲

2017年1月30日 / 18:00

「アンテナラスト」(’16)/10-FEET (okmusic UP's)

最近取材していると、○○周年を迎えたというバンドに多く遭遇する。当事者はわりとあっさりしたもので、「気付けば、ここまで来てしまった」という感覚だ。もちろんバンドは浮き沈みがあるもので、楽しい時もあれば苦しい時もある。それを乗り越えて、今があるわけで、尊敬に値すると言わざるを得ない。また苦しい時代や、当時は賛否を呼んだ音源でも、改めて振り返ると、それがまたバンドの音楽性に豊かな表情を与え、味わい深く聴けたりするものだ。これを機に各バンドの今と昔の作品にも手を伸ばしてほしい。

「80」(’16)/山嵐
昨年、バンド結成20周年を迎えた山嵐。現在は20周年ツアーで全国を駆け巡っている。彼らは96年に結成され、その翌年97年9月21に《やってきたぞ 山嵐 登場 片っ端から投げちらすぞ》(代表曲「山嵐」)というインパクト抜群の歌詞とともに1stアルバム『山嵐』を発表。当時18歳という若さでこの音源を作り上げた。90年代後半はラップを用いたミクスチャーバンドがブームを巻き起こしたが、山嵐はその先頭を切るかたちでシーンを引っ張っていた。昨年は記念すべき20周年となる11thアルバム『RED ROCK』をリリース。KAI_SHiNE(Machine)を新メンバーに入れ、現在は7人編成で活動中。電子音を血肉化させ、ライヴ感あふれる楽曲はどれも最高だ。

「アンテナラスト」(’16)/10-FEET
今年、バンド結成20年に到達したのは10-FEETだ。彼らの音源を初めて聴いたのは、初音源にあたるデビュー1stシングル「april fool」(01年4月1日)だった。当時は名も知らないバンドだったが、ふと聴いてみたらメロディーがとても良くて一発で気に入った。その頃はHi-STANDARDの影響が強かったのか、英語詞でキャッチーなメロコアを鳴らしていた。それからミクスチャー要素が増え、英語と日本語の両刀使いで、サウンドの幅をどんどん広げていく。ここで取り上げるのは、昨年7月に出た15thシングル表題曲だ。約4年振りの待望の音源となったが、10-FEETの新たな代表曲と言えるほど名曲然とした輝きを放っている。ライヴでもこの曲をプレイすると、場の空気が変わる不思議なオーラを発する。ぜひ聴いてほしい。

「RISE」(’09)/OUTRAGE
今年デビュー30周年を迎えたのは、名古屋発の骨太メタルバンドであるOUTRAGEだ。和製METALLICAという触れ込みとともに、初期はNWOBHM(ニュー・ウェーヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)やスラッシュメタルの影響が強かったものの、大傑作4thアルバム『THE FINAL DAY』で一躍その名を知らしめた。ちなみに上記の10-FEETもOUTRAGEのコピーをやっていた時期があり、過去に共演も果たしている。話を戻そう。OUTRAGEのバンドの顔と言える橋本直樹(Vo)が脱退し、ヴォーカル不在のまま、安井義博(Ba)がヴォーカルを務めるかたちで、阿部洋介(Gu)、丹下眞也(Dr)の3人でバンドを継続させる時代もあった。それから橋本が電撃復帰を果たし、09年にセルフタイトルを冠した10thアルバムを発表。この曲はそのオープニングを飾り、涙なくしては聴けない熱い楽曲に仕上がっている。

「Paradice City」(’87)/GUNS N’ ROSES
ガンズ&ローゼズの来日フィーバーに沸きましたね。今回の目玉は何と言ってもオリジナルメンバー3人が集結したことに尽きると思います。アクセル・ローズ(Vo)、スラッシュ(Gu)、ダフ・マッケイガン(Ba)が同じステージに立つのは93年の東京ドーム公演以来なので、実に24年振りになるのです。しかも、今年は彼らの衝撃のデビューアルバム『APPETITE FOR DESTRUCTION』30周年という偶然も重なってます。この曲のMVを観た時は、あまりのカッコ良さに完全に魂を抜かれました。当時リアルタイムでこのMVに出会った人はみんなそうだったと思います。今聴いても楽曲の輝きをまったく失われていない。思わず溜め息が漏れる大名曲です。

「International You Day」(’02)/NO USE FOR A NAME
“FAT”の3文字だけで伝わるレーベルと言えば、NOFXのFat Mike(Vo&Ba)が元妻のErinと立ち上げたUSパンクレーベル『FAT WRECK CHORDS』だ。90年代のメロコアシーンを牽引した最重要レーベルと言っていい。そのレーベルの25年を歩みを辿るドキュメンタリー映画『A FAT WRECK』が2月4日から日本でも公開される。ひと足先に映画を観たが、これがめちゃくちゃ面白い!  NOFXとは縁が深いHi-STANDARD/NAMB69の難波章浩(Vo&Ba)も登場するし、何よりFat Mikeの知られざる側面が大きくフィーチャーされ、レーベルに対する彼のこだわりや人間性もよく分かる。メロコアファンは必見だ。個人的にはFAT所属バンドの中だと、日本のバンドマンやファンにも愛されたNO USE FOR A NAMEは思い入れが深い。特に『HARD ROCK BOTTOM』は名盤中の名盤だ。Tony Sly(Vo&Gu)は41歳で他界、バンドも解散してしまったが、哀愁メロコア好きを虜にした。


関連ニュースRELATED NEWS

音楽ニュースMUSIC NEWS

Mrs. GREEN APPLE「Soranji」自身7曲目のストリーミング累計3億回再生突破

J-POP2024年4月24日

 Mrs. GREEN APPLE「Soranji」が、Billboard JAPANチャートにおけるストリーミングの累計再生回数3億回を突破した。  「Soranji」は、Mrs. GREEN APPLEが映画『ラーゲリより愛を込めて』の … 続きを読む

YOASOBI「アイドル」史上最速ストリーミング累計7億回再生突破

J-POP2024年4月24日

 YOASOBI「アイドル」が、Billboard JAPANチャートにおけるストリーミングの累計再生回数7億回を突破した。  「アイドル」は、TVアニメ『【推しの子】』オープニング・テーマとして、同アニメの原作者である赤坂アカによる書き下 … 続きを読む

Omoinotake「幾億光年」ストリーミング累計1億回再生突破

J-POP2024年4月24日

 Omoinotake「幾億光年」が、Billboard JAPANチャートにおけるストリーミングの累計再生回数1億回を突破した。  「幾億光年」は、ドラマ『Eye Love You』の主題歌として書き下ろされた楽曲。2024年1月24日に … 続きを読む

山崎育三郎がニューAL発売日に電波ジャック、4/24『ZIP!』『DayDay.』『ヒルナンデス!』登場へ

J-POP2024年4月23日

 山崎育三郎が、6年ぶりのオリジナルアルバム『The Handsome』発売日の4月24日、日本テレビ系の情報番組『ZIP!』『DayDay.』『ヒルナンデス!』へ出演することが決定した。  当日は、本作『The Handsome』で山崎育 … 続きを読む

XGのラップコンテンツ『XG TAPE』、HARVEYによる最新作が公開

J-POP2024年4月23日

 XGが、ラップコンテンツシリーズ『XG TAPE』の最新作『[XG TAPE #4] Big Mad (HARVEY)』を公開した。  デビュー前より公開されてきたXGのパフォーマンスコンテンツシリーズ『XG LAB STUDIO』の中で … 続きを読む

Willfriends

page top