2017年ブレイク必至のケラーニ、本格志向のメジャー・デビュー作『スウィートセクシーサヴェージ』(Album Review)

　2016年2月に開催された【第58回グラミー賞】で、2作目のミックステープ『ユー・シュッド・ビー・ヒア』が＜最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム＞にノミネートされ、大きな注目を集めた、オークランド出身、21歳のR&Bシンガー、ケラーニ。

　その後、大ヒット映画『スーサイド・スクワッド』のサウンドトラック盤に収録されたナンバー「ギャングスタ」が、デジタル・チャート、R&Bチャート共にTOP10入りするヒットを記録し、ゼインのデビュー作『マインド・オブ・マイン』や、ポスト・マローンの最新作『ストーニー』に参加したことなどで、知名度をさらに高めていった。

　2016年の目覚ましい活躍を経て、ケラーニのメジャー・デビュー・アルバム『スウィートセクシーサヴェージ』が、1月27日、遂にリリースされた。パープルピンクの空をバックに、全身タトゥー、ベリーショートという個性的なケラーニが印象的に写る、ビジュアルからして期待が持てそうなアルバムだ。

　全17曲、ケラーニ自身が制作を手掛け、プロデューサーにはカニエ・ウェストやトラヴィス・スコットなどが所属する＜グッド・ミュージック＞のチャーリー・ヒートがクレジットされている。ゲスト・ミュージシャン(フィーチャリング・アーティスト)の参加はないことから、自身の楽曲で勝負したいという、コンセプトを重視した、こだわりの強いアルバムであることが分かる。

　大好評だった、先行シングル「クレイジー」や「ディストラクション」と同クオリティの名曲が揃う、本作。この2曲をはじめ、音はブラック・ミュージックに徹しているが、ケラーニの宙に浮くような軽いヴォーカルが、トラックの重たい印象を崩し、ポップに聴かせる。BGMとしても邪魔にならない、聴き心地の良いアルバムだ。

　『スウィートセクシーサヴェージ』のリリースを皮切りに、2017年ブレイクが期待されるシンガーの1人、ケラーニ。配信された楽曲の評価や視聴回数も良く、アルバム・チャートでは自身初のTOP10入りを果たすかもしれない。国内版の発売は、2017年3月1日。大ヒット曲「ギャングスタ」は、デラックス・エディションのみ収録される。

Text：本家一成

◎リリース情報
『スウィートセクシーサヴェージ』
ケラーニ
2016/1/27 RELEASE
https://goo.gl/37sMWH