【ガンズ・アンド・ローゼズ来日迫る!】ロック史上最高のデビュー作『アペタイト・フォー・ディストラクション』(1987年)が全米ビルボードチャートに残した爪痕

2017年1月18日 / 12:00

 1月21日より、ガンズ・アンド・ローゼズによる待望のジャパン・ツアーがスタートする。ガンズの来日公演そのものは2012年12月以来約4年ぶりだが、今回はギタリストにスラッシュ、ベーシストにダフ・マッケイガンという、24年ぶりの“最強布陣”で来日。世界中のファンが長年夢見たていた黄金期メンバーの復帰というビッグ・ニュースから1年、いよいよ彼らが日本のステージに立つ夢の瞬間が間近に迫っている。すでにチケットを手にしたファンたちは、誰もが並々ならぬ期待とワクワク感を抱きながら“その日”を心待ちにしているだろう。筆者もその一人である。 

 言うまでもないが、ガンズ・アンド・ローゼズは1980年代後半から90年年代前半にかけて、ほかのロックバンドが成し得なかった数々の大記録を打ち立てた。ロック界の随一のカリスマ、そして問題児であるアクセル・ローズとともにバンドを黄金期へと導いたスラッシュ&ダフのバンド復帰と来日を祝し、改めてロック史に燦然と輝くデビュー作『アペタイト・フォー・ディストラクション』からはじまる快進撃を全米ビルボードチャートという視点から振り返りたい。 

 今から30年前、1987年8月21日にリリースされたガンズ・アンド・ローゼズの記念すべきデビュー作『アペタイト・フォー・ディストラクション』。新人ながら全米ビルボードNo.1に輝き、全世界で約3,000万枚にもおよぶセールスを記録するなど、“ロックンロール史上最高のデビュー・アルバム”と称されている同作だが、実はリリース初週は全米ビルボード182位という、無名の新人バンドらしいスタートを切っている。そんな彼らへの風向きを変えたのは、80年代の全米ヒット・シーンにおいて重要な役割を担っていたアメリカの音楽専門放送局MTVである。当時の音楽シーンにおいて「MTVから人気に火がつく」というのは、今で言う「バズる」に該当するといってもいいだろう。マイケル・ジャクソン、マドンナ、シンディ・ローパー、そしてワム!やデュラン・デュラン、カルチャー・クラブなどが、ブラウン管を通じて若者たちを熱狂させた時代。アーティストたちは最大のプロモーション・ツールとして趣向を凝らしたミュージック・ビデオを競うように発表していた。当時のシーンに絶対的な影響力を持っていたMTVにおいて、ガンズは当初、メンバーの素行の悪さからミュージック・ビデオのオンエアを拒否されていたという。しかし、アルバムのオープニング・トラックである「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」のミュージック・ビデオがオンエア解禁となると、徐々に彼らは人気と知名度を獲得していくのだった。

 Guns N’ Roses – Welcome To The Jungle
https://youtu.be/o1tj2zJ2Wvg

 そして翌88年4月、ついに『アペタイト・フォー・ディストラクション』はリリースから8か月の期間を経てチャートTOP10圏内をマークする。しかし、その先も決して“うなぎ上り”というわけではなかった。そこからさらに3か月後、8月6日付チャートにてついに全米ビルボードNo.1を獲得するのだが、このときすでに初のチャートインからは50週、つまり11か月以上が経過していたのだ。 

 ゆっくりと頂点へと登りつめた彼らの“チャート快進撃”は、実はここからがはじまる。デビュー・アルバムが記念すべき全米ビルボードNo.1に輝いた直後となる1988年8月17日にシングル・カットされた「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」は、あっという間に全米ビルボードNo.1を獲得。この勢いを受け、10月には「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」を再リリースし全米7位に。そして、サード・シングルとなる「パラダイス・シティ」も5位と立て続けにトップ10入りヒットを連発し、同時期にリリースしたミニアルバム『GN’Rライズ』も、翌89年に全米ビルボード・アルバムチャート2位に(ちなみに、このときの首位はマドンナ)。そして、その勢いを受け、ロック史に残る大作『ユーズ・ユア・イリュージョンI』『ユーズ・ユア・イリュージョンII』(1991年)でのチャート1、2位独占という金字塔を打ち立てることになる。 

 スラッシュ&ダフ復帰後におこなわれたコンサートでは、当然『アペタイト・フォー・ディストラクション』、そして『ユーズ・ユア・イリュージョンI』『II』とチャート史に大きな爪痕を残した初期作品のナンバーがたっぷりと披露されている。正直なところ、ファンにとっては、アクセルとスラッシュ、そしてダフが、同じステージにいるというだけで、じゅうぶん感動できてしまうかもしれない。そのうえ、煌びやかなポップスターたちがひしめく80年代のポップ・シーンに新たな風穴を開けた名曲の数々を生で体験できるのだから、これ以上何も望むものはない。強いて言うならひとつだけ、ライブが極力時間通りにスタートしてくれることを祈るのみだ。

◎ツアー情報【Guns N’ Roses JAPAN TOUR 2017】
2017年1月21日(土) 京セラドーム大阪 SUPPORT ACT:BABYMETAL
2017年1月22日(日) 神戸ワールド記念ホール SUPPORT ACT:BABYMETAL
2017年1月25日(水) 横浜アリーナ SUPPORT ACT:BABYMETAL
2017年1月28日(土) さいたまスーパーアリーナ SUPPORT ACT:MAN WITH A MISSION
2017年1月29日(日) さいたまスーパーアリーナ SUPPORT ACT:BABY METAL


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