マドンナが<ビルボード・ウーマン・オブ・ザ・イヤー>を受賞、女性であることについてユーモアと見識あるスピーチを披露

2016年12月12日 / 16:45

 現地時間2016年12月9日に【ビルボード・ウーマン・イン・ミュージック・アワード】が開催され、自身が持つ女性アーティストとして史上最高の興行収入記録を2016年に更新した世界的大スター、マドンナが<ウーマン・オブ・ザ・イヤー>に輝いた。

 マドンナの受賞スピーチは、あくまで激しく、ユーモアがあり、そして残酷なまでに正直だった。それは言い換えれば、30年前にデビューした時から我々が知っていて、愛してきた彼女の姿そのものだった。

 「私は“doormat”(いつもやられっぱなしの人)として皆さんの前に立っています。あ、違う、女性エンターテイナーとして、でしたね」と、皮肉を交えつつ語り始めたマドンナは、「あからさまな性差別と女性嫌悪、そして絶えず続くいじめや容赦ない暴言に耐えて34年に渡ってキャリアを持続できた私の能力を評価していただき、ありがとうございます」と、述べた。

 そして彼女は10代で初めてニューヨークに移った頃の話をし始めた。「至る所で人々がエイズで亡くなっていました。ゲイであることは安全ではなく、ゲイ・コミュニティに関与することはクールではありませんでした」と回想し、「1979年のニューヨークはとても恐ろしい場所でした。住み始めて1年目に私は銃で脅され、屋上でナイフを喉に突きつけられながらレイプされ、アパートにはあまりに何度も侵入されて物を盗まれるので鍵をかけるのをやめました。その後の数年間で私はほとんどの友人をエイズかドラッグか銃に奪われました」と、打ち明けた。

 その経験から学んだ重要なことは、「自分を信じること以外、人生において本当の安全は存在しない」ということだったと彼女は語った。

 次に彼女はデヴィッド・ボウイから学んだと思っていたが、結果として自分には当てはまらなかったことについて話を広げた。「デビー・ハリー、クリッシー・ハインド、そしてアレサ・フランクリンからも勿論刺激を受けましたが、私の本当のミューズはデヴィッド・ボウイでした。彼は男性と女性の精神を体現していて、そこがとても私の性に合っていました。ルールなんてない、と私は彼のおかげで考えるようになりました。でも私は間違っていました。ルールがないのは男子だけ。女子にはルールがあったのです」と、彼女は語った。

 その“ルール”についてマドンナは、「女子はゲームに参加しなければなりません。きれいでいること、可愛くいること、セクシーでいることは許されます。でもあまり賢く振舞ってはいけません。体制から外れた意見を持ってはいけません。ふしだらな格好をして男性から物として見られるのは許されますが、ふしだらな自分に自信を持ってはいけません。そして決して、決して自分の性的な妄想を世界に発信してはいけません。男性のこうあるべきだと思うような女性になりましょう。そしてもっと大事なのは、男性と一緒にいても他の女性に危機感を与えないような女性になりましょう。そして最後に、歳をとってはいけません。年齢を重ねることは罪です。あなたは批判され、けなされ、間違いなくラジオで曲をかけてもらえなくなるでしょう」と、話した。

 そして彼女は“自分が地球上で一番の嫌われ者”であると感じていた頃について、時に涙ぐみ、鼻水も少し流しながら明かした。「やがてショーン・ペンと結婚した時、私は放っておかれるようになりました。彼は“人のケツに弾丸を打ち込むような”男だったし、私が人妻になったからです。暫くの間、私は脅威ではなくなりました。それから数年後、私は離婚してシングルになり……ごめんね、ショーン。そして“エロティカ”というアルバムと“SEX”という本を発売しました。その頃、自分があらゆる新聞と雑誌の見出しになっていたことを覚えています。私について書かれた記事の全てが私の欠陥を痛烈に指摘していました。私は娼婦や魔女と呼ばれました。ある見出しは私をサタンと比較しました。私はその時、“ちょっと待ってよ、プリンスだって網タイツとハイヒールを履いて口紅をしてケツを出してるじゃない”と思いました。その通りです。でも彼は男性でした。その時初めて、女性は男性と同じような自由が許されていないということを真に理解したのです」と、話した。

 「世間から辛辣な言葉を浴びせられていた頃、サポートしてくれる女性の仲間がいればいいのにと願ったこともありました。だけど、著名なフェミニスト作家のカミール・パーリアが、私が自分を性的な対象として表現することによって女性全体の立場を後退させているとコメントしたのです。それで私は“ああ、じゃあフェミニストにはセクシュアリティがないのね。否定するんだ”と思いました。そして、“もういいや。私は違う種類のフェミニスト。悪いフェミニストなんだ”と思ったのです」と、語った。

 また、マドンナは過去10年の間に亡くなった、数多くのポップ・アイコンたちについても触れ、「私がこれまでにしたことの中で一番物議を醸すことは、ただ居残ったことかもしれません。マイケルはもういません。2パックもいません。プリンスもいません。ホイットニーもいません。エイミー・ワインハウスもいません。デヴィッド・ボウイもいません。でも私はまだここに立っています。私は運が良かった一人で、毎日自分が恵まれていることに感謝しています」と、話した。

 スピーチの最後に、マドンナは自分を嫌う人たちへ感謝を表し、音楽に携わる女性たちへアドバイスした。「ここにいる全ての女性へ私が言いたいことはこれです。女性はあまりにも長い間抑圧されてきたので、男性が自分たちについて発言することを信じているのです。仕事を成し遂げるには男性を支えなければならないと信じています。そして支えるに値する素晴らしい男性だって中にはいるでしょう。でもそれは彼らが男性だからではありません。尊敬すべき人だからです。女性として私たちは自分とお互いの価値を正当に評価し始めなければなりません。友情を育めて、同じ立場で考えられて、教えられて、協力し合えて、刺激を受けて、支持できて、そして啓発されるような強い女性を探し求めてください」と、述べた。

 「この賞を受賞したことにより、この場で皆さんにお礼を言う機会をいただけたことの方が嬉しいかもしれません。ここに至るまでに私を愛し、支えてくれた人たち……。どれほど皆さんの支えが私にとって大切だったか、きっと分からないでしょう」と、再び涙ぐんだ。「と同時に、私を疑った人、否定した人、ひどい目にあわせた全ての人、私に向かって“できない”とか“やる訳がない”とか“やってはならない”と言った人に言いたいです。あなたの抵抗が私を強くし、もっと努力させ、今、このような闘志あふれる人間にしてくれました。私をこのような女性にしてくれました。ですから、ありがとうございました」と彼女はスピーチを締めくくった。

 マドンナの他には、シャナイア・トゥエインが<アイコン賞>、ホールジーが<ライジング・スター賞>、アレッシア・カーラが<ルール・ブレイカー賞>、アンドラ・デイが<パワーハウス賞>、メーガン・トレイナーが<チャート・トッパー賞>、マレン・モリスが<ブレークスルー賞>、そしてケシャが<トレイルブレイザー賞>を受賞している。


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