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英ロック・バンド、デュラン・デュランが「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」を含む約40曲のアメリカでの著作権の返還を求めていた裁判で、イギリスの高等法院は現地時間の今日、権利を取り戻すことはできないとする判決を下した。
アメリカの著作権法によると、作詞/作曲者が音楽出版会社(デュラン・デュランの場合、Tritec Music Ltd.、現在のソニー/ATV)などに譲渡していた楽曲の著作権について、35年が過ぎれば、解除することができるとしている。これは自身の楽曲の晩年にアーティストが印税を受け取れるチャンスを与える為に設けられた条項だ。バンドは2014年にこの条項を利用して楽曲の権利を取り戻そうとしたが、逆にバンドと各メンバーの持ち株会社に対し訴訟を起こされてしまった。
ソニー・ミュージックは、バンド・メンバーと出版会社が交わした当初の合意では、契約は全てイギリスの法律が適用され、すなわちアメリカの著作権も全てイギリスの音楽出版会社に帰属する為、バンドの楽曲の著作権はイギリスの法律が制定する期間、つまり作詞・作曲者の死後70年間有効であると主張した。
「我々は著作権解除に関する米国法に異議を申し立てようとしていた訳ではなく、これは単に英国の裁判所の権限で判断すべき契約上の問題であり、様々な楽曲の著作権のありかをはっきりさせることが目的だった」と同社は声明を発表した。
リチャード・アーノルド裁判長は「ためらいを感じながらも」としつつ、「バンドの契約にある条項により、彼らが申し立てた(著作権の)解除通知は全て無効になる」と判決を言い渡した。
イギリス国内で非常に強い反響を巻き起こったこの判決について、米国在住の著作権解除の専門家リサ・アルター (Lisa Alter)弁護士は判決が「とても制限されている」とし、審理が一方的で、双方が米国著作権法の専門家を召喚できず、争点がデュラン・デュランの契約違反に集中してしまった為だと話す。
「過去には、米国外で交わされ現地の法律が適用された契約でも、作詞/作曲者やその相続人が申し立てた解除通知が認められた例がいくつもある。アメリカでは解除権利は譲渡不可能なので、それを回避しようとする行為は全て無効になる」と彼女は説明する。
デュラン・デュランは判決に深く失望しているとの声明を発表し、「クリエーターへの権利返還を妨げる為に契約を利用する行為を禁ずる米連邦法規に反する判決だ」と抗議した。
「長年莫大な成功を享受してきたのは作詞/作曲者のおかげなのに、彼らをこのように扱うソニー/ATVのような会社と今後誰が契約しようと思うだろうか?」と、デュラン・デュランのシンガー、サイモン・ル・ボンはコメントした。
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