【ACL 2016イベントレポート Weekend 1- DAY 1】レディオ・ヘッド/フォールズ/フルーム/ダイ・アントワードが出演

2016年11月24日 / 17:00

 今年で15回目を迎えたテキサス州オースティンにて開催されている音楽フェスACL (オースティンシティリミッツフェスティバル)が、9月30日から10月2日、10月7日から9日の計6日間開催された。市内にある350エーカー規模の公園ジルカーパークが会場となっており、2013年から2週連続開催で出演するアーティストはジャンルを問わず、大小7つのステージと子供も楽しめるキッズエリアもあり、海外からも多くのオーディエンスを集めている。

 今年は、ヘッドライナーにRadiohead, Kendrick Lamar, Mumford & Sonを迎え、計157組のアーティストが出演し、2週間で45万人を動員した巨大フェスの模様を数々の写真とともにレポートする。

– DAY 1  September 30th (Fri) –

Eliot Sumner / エリオット・サムナー
テキサス記念すべきメインステージのトップを飾ったのはUKのシンガーソングライターのエリオット・サムナー。ここ数年で歌声はより一層ディープでスモーキーになり、彼女の父親のスティングを彷彿とさせる。レディオヘッドと同じステージに立てるのが最高に嬉しいと言っていた彼女のステージには多くの観客が集まり、フェスの幕開けの金曜日にふさわしい曲「Come Friday」でスタートした。

Banks & Steelz / バンクス & スティールズ
Interpolのポール・バンクスとWu-Tang ClanのRZA組んだ異色ユニットで、今年8月にアルバム「Anything But Words」リリースし、USツアー中の二人がACLに登場。個々のバンドではヘッドライナーもしくはぞれ相当の出演時間の彼らだが、早い時間のステージに登場。ステージには彼らのバンドのシンボルが掲げられ、「Point of View」で始まり計11曲を披露。まさにインタポール・ミーツ・ウータンクラン!相違な音楽性が見事な融合し音楽の底の深さを再認識させられた。

Prinze George / プリンズ・ジョージ
2013年に結成したばかりのNYを拠点とするアップカマー。メンバーはシンガーのイザベル、ドラムのナオミ、キーボード&ギターのケニーの三人。シングル「Victor」は2014年にヨーロッパでリリースされたインディ映画『Head Full of Honey (原題 Honig Im Kopf)』のサウンドトラックに選ばれ、ハイプマシーンでは1位を獲得。2015年には オースティンで開催されているSXSWにも出演。この日イザベルはホワイトゴールドのスリップドレスで登場。プラチナブロンドのヘアに人形のように可愛らしい彼女のソフトでハスキーな歌声に、通り過ぎようとしていた人達も立ち止まりその場から離れられなくなる。今一番目が離せないアーティストである。

Chairlift / チェアリフト
ブルックリンのシンセポップデュオ。キャロラインのオペラテクニックがバックグラウンドにあるボーカル能力と美しさに誰もが魅了される。この日のキャロラインは珍しく髪を下ろして登場。彼らの代表曲「Amanaemonesia」では観客もキャロラインのように踊り歌った。

Foals / フォールズ
ここ数年、Arctic Monkeys, The XX, CHURCHES, The 1975, Catfish and the Bottlemanなど若手ブリティッシュバンドのアメリカでの人気の勢いが止まらない。Foalsもそのうちの一つである。ACLメインステージの夕方の出演枠はそう遠くない将来ヘッドライナークラスになるであろうと憶測されるアーティストに与えられる。Foalsがカメラマンに撮影を許可したのは頭3曲ではなくラスト3曲。これが意味するのは何かフォトジェニックなことがラスト3曲に用意されているということ。それを期待して多くのフォトグラファー達が待機していた。
ラスト1曲目「Shake Oil」のドラムビートから観客のモッシュが始まる。シンガーのヤニスがシャウトするとメインステージは灼熱の楽園ヘと化す。そしてヤニスはステージを降り観客の元へ駆け寄りラスト2曲目の「Inhaler」がスタート。ギターをかき鳴らしながら観客を煽る。 “I’m strict for soul, I make believe”とあるように魂が締め付けられる瞬間を目の当たりにしたのだった。

Die Antwoord
カルト的な絶大なる人気の南アメリカ・ケープタウン出身のラップレイブグループ。メンバーのニ「Fuck Your Ruンジャとヨランディはステージ衣装のボトムに日本語のカタカナで”テンション”と書かれたものをもう何年も着用している。「les」でニンジャはステージを降りてファンの元に行き粗野なラップを吐き煽る。ヒットチューンの「Rading Zef Boner」は大合唱。彼らのスタイルは他の誰ともかぶらない唯一無二のものであり、そのぶっ飛んだ容姿とヨランディのハイトーンでアニメ的なボーカルに最初は度肝を抜かれ引いてしまっても、なぜかまた観てみたいと思ってしまう中毒性のバンドだ。

Flume / フルーム
オーストラリアのプロデューサー兼DJ Flume。これまでにSam SmithやLorde, Arcade Fire, Disclosureなどのリミックスを手がけCoachellaやLollapaloozaなどのビッグフェスティバルに出演した次世代を担うアーティストの一人である。ステージの頭上には透明な立方体がいくつも並び、バックモニターに映る美しい花のビジュアル映像が立方体に反射してエレクトロニクスのビートに合わせ浮かび上がる。Tove Loとのコラボ曲「Say It」ではFlume自らシンセドラムを叩き観客が手拍子。それに合わせて立方体はストロボのように光り、クライマックスへと導いた。

Radiohead / レディオヘッド
ニーナ・シモンの「自由とは恐れないこと」という肉声が流れメンバーが登場。
照明が赤く変わり「Burn the Witc」が始まる。メインステージに集まったかつてないほどの群衆の群れは恐怖のような叫びをトムヨークの歌が包み込みに来る。そして赤く燃える火の中で焼かれる魔女(群衆)を想像していると、次の「Daydream」で一転し、ジョニー・グリーンウッドのピアノに導かれ青くて深い海底へと誘われる。このような対立的で衝動的なステージに25年もの間、多くの人が魅了されている。2時間のセットを通して群衆は彼らの引力に引き込まれている。「The Gloaming」ではステージ上のコマンド画面に緑色に光るループとライトの中で完全にシステムの崩壊に落とし込みんだ。「There There」の後、トムは「みんなありがとう。wicked(クールな)週末を楽しんで」と言葉を投げかけ、「Karma Police」で幕を閉じた。

Text & Photo:ERINA UEMURA


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