井上陽水 ボブ・ディランの思い出を語り「Knockin' on Heaven's Door」カバー披露

2016年10月13日 / 17:20

 昨年9月より今年4月まで精力的に全国ツアーを実施した井上陽水が、9月27日 よこすか芸術劇場より【井上陽水 コンサート2016秋「UNITED COVER 2」】と題し、再び全国ツアーをスタートさせた。

 今回、渋谷Bunkamura オーチャードホールでのコンサートが2days開催され、10月12日に2夜目の公演が行われた。「ミスコンテスト」「カナリア」「Make-up Shadow」と手練れのミュージシャンの演奏をバックに大人の色気たっぷりに歌い、序盤から会場全体を井上陽水ワールドに染め上げる。そんな雰囲気とは一転、冒頭の挨拶のMCでは「肌寒くなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?」と独特のニュアンスで語ると会場からはどっと笑いが。“ただの挨拶”で観衆の心を掴むミュージシャンは音楽業界広しと言えども、井上陽水くらいではないだろうか。

 「皆様の日頃の辛いこと、悲しいこと、様々なことを抱えていらっしゃると思いますが、今日だけはそれを忘れて楽しんでください。」と言ったそばから「とは言っても私は不吉な曲ばっかりなんですけどね。」と語り、井上陽水の楽曲の中でも特に“不吉”な曲、家族の崩壊をイメージさせる曲である「娘がねじれる時」を歌うと、会場はまた何ともいえない緊張感に包まれた。また、昨年リリースされたアルバム『UNITED COVER 2』に収録されている昭和の名曲カヴァーも披露。作詞:永六輔、作曲:中村八大による「黄昏のビギン」、ボッサ調にアレンジされた盟友・吉田拓郎の「リンゴ」、シンプルな構成とコーラス編成に、教会音楽の様な神々しささえ感じる「あの素晴しい愛をもう一度」など、井上陽水の解釈で新たな生命を吹き込まれた名曲の数々や、NHK『ブラタモリ』のテーマソングとなっている「女神」「瞬き」など、ツアーの表題にもなっている『UNITED COVER 2』のパートも大いに盛り上がった。

 後半ではギタリスト長田進、今堀恒雄を従えて、井上陽水が影響を受けたアーティストの1人と言う、ボブ・ディランの思い出を語りながら「Knockin’ on Heaven’s Door(天国の扉)」のカヴァーから始まり、『UNITED COVER 2』収録曲コーナー同様、原曲やそのアーティストへの愛情と、井上陽水ならではの声やアレンジによる魅力を感じさせるパフォーマンスとなった。

 トークも多く見られた前半部分とは一転、後半パートは「リバーサイドホテル」「嘘つきダイヤモンド」「氷の世界」など、自身のヒット曲を惜しみなくパフォーマンスし、最新作カヴァーアルバムだけでなく、井上陽水のオリジナル曲も堪能できるコンサートとなった。アンコールでは、会場を多く埋め尽くしたアダルトなオーディエンスに「せめて最後の2~3曲くらい立ってみてはいかがでしょうか。運動のつもりで」と笑みを浮かべながら促すと、場内総立ちとなり、「渚にまつわるエトセトラ」「夢の中へ」に手拍子が巻き起こった。最後は井上陽水と玉置浩二、日本の音楽史で無二の天才2人によって作られた「夏の終りのハーモニー」を歌い上げ、万雷の拍手の中、コンサートを締めくくった。

◎【井上陽水 コンサート2016秋「UNITED COVER 2」】
10月18日(火)岡山 岡山市民会館
10月19日(水)高知 高知県立県民文化ホール
10月24日(月)福岡 福岡サンパレス ホテル&ホール
10月26日(水)福岡 アルモニーサンク 北九州ソレイユホール
10月27日(木)長崎 アルカスSASEBO
11月3日(木)群馬 桐生市市民文化会館 シルクホール
11月4日(金)神奈川 川崎市教育文化会館
11月9日(水)和歌山 和歌山市民会館 大ホール
11月10日(木)大阪 フェスティバルホール
11月13日(日)長野 ホクト文化ホール (長野県県民文化会館)


イベント情報 EVENT

J-POP・ROCK

Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ 2013

オノ・ヨーコ、井上陽水、奥田民生、絢香、山村隆太、ROY、Cocco、元 ちとせ、miwa、TOSHI-LOW×箭内道彦、MONKEY MAJIK、OKAMOTO’S、浅井健一、細美武士、LOVE PSYCHEDELICO、ジョン・カビラ

東京2013/12/7

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