「すべての楽曲に共通しているのは、良質なポップ・ソングライティング」―全英チャート2週連続No.1!ブロッサムズ来日インタビュー

2016年9月21日 / 18:00

 2013年に結成されたトム・オグデン (Vo.)、ジョシュ・デューハースト (Gt.)、チャーリー・ソルト(Ba.)、マイルス・ケロック(Key.)、ジョー・ドノヴァン(Dr.)の5人による、英ストックポート出身のバンド、ブロッサムズ。
 
 EP4枚のリリースを経て、2016年8月5日には、00年代のUKロック・シーンを語る上で外せないザ・コーラルのフロントマン、ジェイムズ・スケリーをプロデューサーに迎え制作されたデビュー作『Blossoms』を満を持して発表。見事全英1位を記録し、【SUMMER SONIC 2016】にて2度目の来日を果たした日本滞在中には2週目の首位をマークしたことが明らかに。ロック、ポップ、サイケ、エレクトロを飲み込んだメロディアスな楽曲の数々と抜群のバンド・アンサンブルで観客を魅了した東京会場でのパフォーマンス直後の5人に話を訊いた。
 
―ピースの前座を務めた初来日公演から、ライブ・バンドとして格段と腕が上がっていましたね。
チャーリー・ソルト:あぁ、僕らも手ごたえを感じてる。あれからツアー三昧だったから、去年に比べたらかなりタイトになってると思う。
トム・オグデン:日本の観客は礼儀正しくて、少し静かだったけどね。
 
―それに、先月ザ・ストーン・ローゼズのサポート・アクトも務めたんですよね。彼らの地元マンチェスターで。
チャーリー:ジョーとトムは、マンチェスター・シティの大ファンなんだ。
ジョー・ドノヴァン:シーズンチケットを買ってるぐらいね(笑)。大好きなチームの本拠地であるスタジアムでプレイできるなんて子供頃からの夢が叶った気分だったね。
トム・オグデン:マジで!これとない名誉だった。
チャーリー:それにローゼズと共に育ったっといっても過言じゃないから。いい思い出になったね。
 
―そしてデビュー作が全英1位になりましたね。おめでとうございます。
一同:ありがとう!
マイルス・ケロック:ちょうどイギリスのフェスで分かったんだけど、シャンパンを飲みまくって祝ったよ(笑)!
ジョー:で、大阪にいる時に2週連続だ、って聞いたんだ。だから、ROCKROCKっていうバーでまた飲んだんだ(笑)。
 
―前週には、過去にブロッサムズの前座を務めたヴァイオラ・ビーチが1位を獲りましたね。「ギター・バンドはもうダサい」みたいな風潮がしばらくありましたが、また人気が出始めてきている感覚はありますか?
チャーリー:そうだね。キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメンが有名になり始めたぐらいの時から、少し風向きが変わってきてるね。僕ら的にも、今後またギター・バンドの時代が到来すればいいな、とは思うよ。
 
―ブロッサムズの音楽性からは様々な影響が伺えますが、具体的にどういったアーティストから培われたものなのですか?
トム:うん。だから、こういうユニークなサウンドが生み出せたんじゃないかな。ABBAにはじまり、ザ・ストーン・ローゼズ、オアシス、ザ・ビートルズ、レディオヘッド、スウェード…いっぱいありすぎる。でも、すべての楽曲に共通しているのは、良質なポップ・ソングライティングだな。
チャーリー:トムのソングライティングが天才的なんだよ(笑)。
 
―デビュー・アルバムのプロデュースはザ・コーラルのジェイムズ・スケリーが手掛けましたが、彼との作業はどうでしたか?
トム:最高!
ジョー:まさにUK音楽界の至宝さ。元々ザ・コーラルのことは尊敬していたし、彼はバンドのメイン・ソングライターだから、その彼のプロセスが間近で見れてすごく刺激された。
トム:俺たちのジェダイ・マスターで、ヨーダの役割を果たしてくれた。
ジョー:彼らのキャリアがあるからこそ、学ぶことが多かったし。本当に助けられたね。
マイルス:さすがにライトセイバーについてのクイズはなかったけど(笑)。
トム:心から楽しめるプロセスで、特にハードだと感じたこともなかった。これまでリリースしてきた4枚のEPの楽曲がアルバムの半分ぐらいを占めているから、残りの半分を作ることに集中した。だから実質新しい曲は6曲ぐらいなんだ。プレッシャーもほとんどなかった。レコーディングしてる時は、ほぼ無名だったし、ぶっちゃけレコード会社もそんな期待してなかったんじゃないかな。きっとどのデビュー作にも共通して言えることだと思うけど、それまでの人生すべての時間や経験から制作されるものだから、良くないはずないんだ。
 
―じゃあ、次回作は程よいプレッシャーとバンドしての目まぐるしい成長を経て、さらに最高なものが仕上がるのを期待してます。
一同:アハハ(笑)!
 
―ちなみに既に曲は書き始めていますか?
トム:あぁ、書き始めてる。基本、僕が曲を書いて…。
チャーリー:そして俺たちが個々のフレイヴァーを足していく。
 
―曲作りをする自分たちのスタジオ的な場所が地元にあるんですか?
トム:スタジオというよりか、リハをする場所なんだけど…足場で作られたスペースが地元のストックポートにあるんだ。最初の頃はそこで曲作りしてたんだけど、最近はずっとツアーしてたから、ちゃんとしたスタジオで一から作ってる。特に決まりはないんだ。時間がある時に、ちょこちょこ作業してるよ。
 
―次回作で、試してみたいサウンドやプロセスなどありますか?
トム:最近、めちゃめちゃヒップホップとR&Bにはまってるんだ。主に90年代の初期のもの。これまでと同じくギターとシンセが曲の根幹なのは変わらないけれど、R&Bやヒップホップに影響された曲を作ってみたいと思ってる。Bサイドなんだけど、すでに「Across The Moor 」っていうその二つのジャンルが持つ雰囲気に似た曲も作ってる。
チャーリー:過去に、アカペラっぽい曲を作りたいね、って話したこともあるから、それもトライしてみたいね。ちょっと10ccっぽい感じの。
 
―トムのヴォーカルは独特なので、どんな曲に仕上がるか楽しみです。ちょっとスウェードのブレットの声にも似てますよね。
トム:特に「Charlemagne」と「At Most A Kiss」はそうかも。
ジョー:光栄な比較じゃないか~。
 
―では最後に5人が一日だけ他人になれるとしたら、誰を選びますか?
ジョー:リアム・ギャラガー!
 
―即答でしたね(笑)。
マイルス:マイルス・ケロック。って、自分のことなんだけど(笑)。
トム:じゃあ、俺もマイルス。彼の頭の中がどうなってるか興味津々なんだ。
チャーリー:僕はルイ・セロー。まったく音楽には関係ないんだけど…。
ジョー:ジョッシュはどう?
ジョシュ・デューハースト:僕は父親。彼は“クレイジー”なんだ。
 
―ミュージシャンなんですか?
ジョシュ:そう、ジャズ・ピアニストなんだ。音楽に関しては天才的で、教えるのもすごくうまいんだ。
 
Live Photo: ©SUMMER SONIC All Rights Reserved.
 
◎「Charlemagne」MV
 
◎リリース情報
『Blossoms』
ブロッサムズ
2016/8/5 RELEASE
輸入盤・デジタル配信


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