渡辺謙&宮崎あおい『怒り』プレミア上映でトロント国際映画祭に登場

2016年9月12日 / 14:47

 2016年9月17日に公開される映画『怒り』が、第41回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門に出品され、本編で父娘を演じた渡辺謙と宮崎あおい、そして李相日監督が招待を受け、現地時間9月10日にプレミア上映を行った。

 上映に先駆けて、渡辺謙、宮崎あおい、李相日監督はトロント市のシンボルであるCNタワーが一望出来るトロント市の名所・センターアイランドを訪れた。トロントの印象について渡辺は、「アメリカのパブリシストとよく話をするとき、行くならトロント映画祭だと。マーケットに対しての影響力が一番大きな映画祭だと聞いていたので、賞を獲るということではなく、世界中からこの地に集まる映画人に『怒り』を観ていただく。そういう意味では非常に価値のある映画祭だと思います」とコメント。

 過去にトロントへ留学経験がある宮崎は「13~14年前にホームスティをしたことがあったのですが、家と学校の往復のみでほとんど観光をしたことがなかったんです。昨日監督と夜の街をフラフラ歩いたのですが、人がたくさんいて活気のある街だなと感じました。思い入れのあるトロントに映画祭で戻ってこれて、すごく贅沢で嬉しい気持ちです。」と感想を語った。

 その後3人は、14時半からTIFF Bell Lightboxで行われた公式会見に参加。海外メディアからの質疑応答に答えた。李監督作品に出演することに対して渡辺は「李監督は日本映画業界の宝物。一緒に仕事を出来たことを誇りに思っています。いつでも素晴らしく、俳優、女優はみんな彼を信頼しています。たぶん、また何度でも彼の作品に挑戦すると思います」とコメント。

 李監督は本作の信じるというテーマについて聞かれると「この作品は、日本の社会の隅にいる人たちの物語ですが、同じようなことがたぶん世界でも起きていると思います。我々は知らない人たち、改めて知り合う新しい人たちをどれだけ信頼できるか、信頼することがいかに難しいか、信頼することによって失うこと、疑うことによって、失うことがどれだけあるのかは、今まさに世界で同じように起きていることだと認識しています」とコメントした。

 また、本作に参加したことがスペシャルだと話す宮崎は「自分にとって今までしたことがない挑戦になる役だなという気持ちで現場にはいりました。現場では毎日監督と話をして、感情を監督と共有しながら愛子を一緒に作っていった気がしています。また、渡辺さんと初めてご一緒させていただいて、現場でのたたずまいやスタッフへの対応、私たち役者への接し方など、すべてをそばで見れたことが幸せでしたし、自分にとって存在的にも大きな方です」とその想いを語った。

 プレミア上映会場となったのは、1913年に建てられた歴史ある映画館・エルギンシアター。カーペットアライバルには、10代からシニア層まで約500人もの観客が劇場前に詰めかけ、上映は映画祭最大級のキャパシティを誇る劇場を埋め尽くす1400人もの観客が来場。場内満席の大盛況の中、上映前の舞台に登壇した渡辺、宮崎、李はそれぞれ流暢な英語で挨拶をし、上映後は舞台挨拶に登壇した。

◎渡辺謙-コメント
一緒に上映を見ていて、お客様がすごく素直に笑えるところは笑って、楽しんでもらえているな、と感じました。今回自分は2回目の鑑賞なので、疲れましたね(笑)。1回目に観たときよりも、ものすごい温かいものを感じたんです。この監督は本当にやさしい人なんだ、温かいものを届けたい人なんだ、とすごく感じました。終わってからしゃべるのって難しいですよ。ただ泣けるとかではなく、本当に心の芯をつかまれているそんな作品だと思います。最後には心から温かい拍手を受け取りました。

◎宮崎あおい-コメント
皆さんと一緒に見れる機会をいただけたということを光栄に思います。上映中に笑い声が聞こえたのは、海外ならではと思いましたし、今回私は本作を見るのが2回目だったのですが、やっぱり前回とは違うところで感情を動かされました。謙さんとご一緒に取材をさせていただく中で、お父ちゃんがどんな気持ちで私(愛子)を見ていたのかを聞いたりして、それを聞いているせいか、お父ちゃんの気持ちになってしまって、こんなに自分のことを思ってくれているのに、、その気持ちにものすごく心が打たれて、お父ちゃんの顔にぐっときてしまいました。1回目とは違う観方ができたかなと思います。

◎李相日監督-コメント
観客と一緒に観るっていうのは、僕にとっては試練です。厳しい試練を乗り越えた達成感です(笑)。ピエールさんのシーンが、こんなに笑いをとるのが驚きでもあり、楽しくもあり。物語が進むにつれて、僕はどうしても観客の後頭部をずっと見てしまうんですが、映画が進むにつれて笑ったり、ゆるく観ていたのが、どんどん皆が皆スクリーンにまっすぐに向いていくのを感じました。何かしら圧力がスクリーンから観客に放たれていたのかなと思います。


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