和製ならではの繊細さや湿度を感じさせるボサノヴァ作品集(Album Review)

2016年6月21日 / 10:30

リオデジャネイロ五輪の影響があるのかどうかはともかく、ボサノヴァ系の再発やコンピレーション・アルバムが続々とリリースされている。定番アイテムももちろんいいのだが、ちょっと食傷気味というのなら、こんなアルバムはどうだろうか。本作『TOKYO BOSSA NOVA CAFÉ』は、日本コロムビアの数あるカタログから和製ボサノヴァの名曲を集めた作品集だ。

 コロムビアの和製ボサノヴァというと、いしだあゆみを筆頭に、伊東ゆかりやヒデとロザンナなど、60年代の歌謡曲に多数の名曲が残されていることがマニアには知られている。しかし、本作は70年代初頭から90年代にかけての作品にフォーカス。特に、1980年前後のシティ・ポップ系に焦点を当てているのが珍しい。しかもかなりのレア曲が含まれているのだ。発掘され尽くしたといわれている和製ボサノヴァだが、ここまでディープなところをすべてチェックしている人はまずいないだろう。

  冒頭のやまがたすみこによる「夏の光に」は、この中ではよく知られた楽曲だろう。彼女のようないわゆるシティ・ポップ系ニューミュージックは、本作のメイ ンどころであり、庄野真代、佐藤奈々子、木村恵子、石川セリなどの楽曲もセレクトされている。また、アイドルの河合奈保子、歌謡曲の尾崎紀世彦、フォーク・デュオのとんぼなど、ジャンルの振り幅も広い。加えて、90年代のJ-POPシーンから、クラックポット、frasco、赤松英弘といった通好みの ミュージシャンがセレクトされているのも嬉しい。

 初CD化曲も3曲含まれており、五十嵐麻利江や早瀬ナオミなどは、その存在すら知らなかった人も多いだろう。なかでも驚くのが、アニメソングで知られる堀江美都子が『花の子ルンルン』のサウンドトラック盤に残した「夢であなたと」。先述のいしだあゆみあたりの60年代歌謡に通じるドリーミーさが魅力だ。

 このように、雑多なセレクトのように見えるが、ボサノヴァというキーワードで繋がる20曲を通して聴くと、本場ブラジルのボサノヴァとは違った和製ならではの繊細さや湿度を感じさせるのが面白い。テレビにオリンピック中継を映しながらボリュームを下げ、このCDをだらだらと流しておくのが、この夏の極上の過ごし方かもしれない。

(REVIEW:栗本 斉)


音楽ニュースMUSIC NEWS

『LOVE GOES ON…』の歌声を聴けば誰もが納得、DREAMS COME TRUEが愛され続けている理由

ニュース2019年7月17日

DREAMS COME TRUEが4年に1度開催しているグレイテストヒッツ・ライヴ『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019』が7月14日、埼玉・さいたまスーパーアリーナからスタートした。遅れば … 続きを読む

シド、横浜アリーナ公演のライブ映像をユニカビジョンで放映!

ジャパニーズロック2019年7月17日

3月10日に神奈川・横浜アリーナで開催したワンマンライブを全曲完全収録した映像作品『SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~』を7月24日にリリースするシドが、同作から6曲のライブ … 続きを読む

BUMP OF CHICKEN、初のメットライフドーム公演にて全国ツアーが開幕!

ジャパニーズロック2019年7月17日

BUMP OF CHICKENが7月10日にリリースした約3年5カ月振りのニューアルバム『aurora arc』。この表題を付けたあとにメンバー4人で実際にカナダにあるオーロラの街“イエローナイフ”に足を運んだという。新作を通して聴いた際、 … 続きを読む

ファッション・アイコンとしても注目のR&Bシンガー、スノー・アレグラの来日公演が決定

洋楽2019年7月17日

 ソウルフルでブルージーな歌声とファッション・アイコンとしての存在感で注目を集めるスウェーデン出身のR&Bシンガー、スノー・アレグラの来日公演が、ビルボードライブ東京にて開催される。  米・LA 移住後に大物ヒップホップ・プロデュー … 続きを読む

『ミュージックステーション』90分拡大SP、亀梨/Kis-My-Ft2/HiHi Jets & 美 少年がジャニーズ名曲パフォーマンス

J-POP2019年7月17日

 2019年7月19日に放送の『ミュージックステーション』に、亀梨和也、Kis-My-Ft2、ダイアモンド☆ユカイ、HiHi Jets & 美 少年、日向坂46、ポルノグラフィティ、山寺宏一が出演することが分かった。  去る7月9日 … 続きを読む

page top