「SMAPになりたい」めざましテレビも注目“楽器を持たないパンクバンド”BiSH 怒涛の24時間イベントを経てメジャーデビュー

2016年5月6日 / 21:53

 元BiSマネージャーの渡辺淳之介が「BiSをもう一度始める」と始動させ、約1年間ばかりの活動で様々な伝説を刻んできた“楽器を持たないパンクバンド”BiSH。5月2日19:00~開催された24時間イベントを経て、4日にavex traxよりメジャーデビューを果たした。

<老若男女のみなさんに愛されるSMAPのような存在になりたい>

 4日の朝、フジテレビ系『めざましテレビ』で“とってもユニークなグループ”として特集が組まれ、日本中のお茶の間へ「老若男女のみなさんに愛されるSMAPのような存在になりたい」との意気込みと共に強烈なインパクトをお届け。華々しくメジャーデビューを飾ってみせたBiSHは、そのオンエアの数時間前まで横浜ベイホールにて【24 Hour Party BiSH】と題した24時間イベントを行っていた。

 avex traxからのメジャーデビューシングル『DEADMAN』のリリースイベントも兼ねて行われた【24 Hour Party BiSH】は、5月2日19:00~ワンマンライブと特典会(握手会&チェキ会)を全24セット、翌3日の夜まで24時間(正確にはそれ以上)ほぼノンストップで展開するというクレイジーな内容で、会場に駆け付けたファンはもちろん、ニコニコ生放送による配信視聴者たちにも熱狂と爆笑を提供し続けた。

<半分寝てる状態で踊るメンバーも……「ここで死んでやろうと思ってる」>

 マネージャー兼プロデューサーの渡辺淳之介による「僕たち、私たちはParty BiSH精神にのっとり、正々堂々と24時間戦う事を……誓いますか!?」「誓いまーす!」といった挨拶から始まり、1セット目の1曲目「BiSH -星が瞬く夜に-」から明らかに飛ばし過ぎ、ペース配分を全く考えてないと思われる全力アクトを展開し、そしてすぐさまファンとの握手やチェキに勤んでまたライブへ立ち向かうという、異様なテンションの中でイベントを進行。

 リンリンに関しては1セット目から具合が悪そうで、特典会中ひたすら床を見つめ続ける場面も。その後、ライブでも、目を閉じたまま半分寝てる状態でパフォーマンスを続けるという神業を習得し、観客はもちろん、その模様を撮影していたカメラマンたちの間でも「ほとんど目閉じてる(笑)。寝ながら踊る人の写真を初めて撮った」等、話題となっていた。無論、リンリンに限らず、時間が進むにつれ、目を開けていられなくなったり、喉が潰れたり、感極まって泣き出したり、気力だけでステージに立ち続けるメンバーは続出。

 「時間も時間ですし、いつもだったらライブ終わってる時間なので……いったん限界が来そうかな、っていう感じです。」(ハシヤスメ)
 「ここで死んでやろうと思ってる」(リンリン)
 「明日昼ぐらいにはみんな無口担当になってるかと……」(チッチ)
 「寝ないと胃にガスが溜まっちゃうんで、ライブ中にガス出しながら戦ってます」(ハグ・ミィ)
 「DEADMANがあと2回来たら死ぬ」(アイナ)
 「この企画は何なんでしょうね! もう顔がヤバ過ぎて清掃員にカメラ向けられる度にムカついて!」(モモコ)

 それでも栄養ドリンクをひたすら飲んだり、ファンの言葉に励まされたりしながら、メンバー6人全員が一度も戦線離脱することなく歌い、踊り、叫び、握り、撮り、笑い、楽器を持たないパンクバンドらしく狂乱の渦を創造し続けていた。

<もうほとんど放送事故と言っても過言ではないトークコーナー>

 ただ、このイベント、メンバーが何より消耗を強いられていたのはライブでも特典会でも寝れないことでもなく、実は時間に余裕がある際に行われるトークコーナーであった。過去、ひとりでトークイベントに出演することになったチッチとアイナは「どんな仕事より緊張する」「何を話したらいいのか分からない、胃が痛い」とビビりまくっていたのだが、実はこのグループ、MCが弱点であり、渡辺がトーク力を鍛える為のプリントをわざわざ配ったりするほど、コミュニケーション能力に難アリの6人組なのだ。

 そんな状況を憂えてか、司会も用意せずメンバーだけで決められた時間話し切るという試練を用意。その結果、ハグ・ミィとモモコが「最近、モモコから処女臭がなくなった」「ハグ・ミィには彼氏がいるはず」「衣装を着てセックスしたことがあるか?」等、メンバー同士で傷しか残さないクロストークを繰り広げたり、チッチとリンリンが「アイナの為にがんばる」「私は?」「(指で)ちょっと」「むかつく~笑」「貴女を困らせるのが好きなの」「誰か助けてほしい」と噛み合わない上に少しスリリングな空気を生んだり、ネタに困ったアイナとハシヤスメが九九の九の段を言い合い、2人とも恐ろしく計算できないおバカさんぶりを露にしたりと、もうほとんど放送事故と言っても過言ではない、めちゃくちゃな状況に。

 なお、この枠では、渡辺淳之介が何故かひとりで「スパーク」を歌い出し、それに対して何故かオーディエンスも盛り上がり、想定外に美しい光景を生み出す場面もあった。

<ファンも取材陣もステージへ~チッチ生誕祭~そしてグランドフィナーレ>

 そんなカオティックな内容でもあった【24 Hour Party BiSH】だが、クライマックスではファンも取材陣も次々とステージに引きずり出されたり、チッチの生誕祭がサプライズで行われ、大量の風船や“セントチヒロ・チッチ”にかけて『千と千尋の神隠し』のハクをモチーフにしたと思われる横断幕、ファンのみんなからのお祝いメッセージや激励が綴られた人体模型などが客席から飛び出したりと、否応なしにメンバーもオーディエンスもエモーショナルになっていく。そして、永遠のように感じられた24時間イベントはいよいよグランドフィナーレへ。

 「まさか24時間起きて、ライブして、特典会やるなんて思わなかったです。いやぁ~本当に……がんばった! 私もがんばったし、みんながんばった! その一言だ」(ハシヤスメ)

 「私は不安しかなくて、みんなは結構ツラいのとか隠してても、私は結構出しちゃって、表に。で、舞台とかちょっと機嫌が悪いみたいな。でも、それでも皆さんが「がんばってね」ってずっと言ってくれて、それにすごく励まされて泣きそうになったりして、清掃員(BiSHファンの総称)とBiSHでがんばることが出来て、ひとつのことを達成できてとても良かったなって思います」(リンリン)

 「24時間イベント、絶対ムリだと思ってて、1週間ぐらい前から「地球滅びればいいのに」とか思ってたんですけど(笑)、スタッフさんとかメンバーとか清掃員のみんな、最初からいた人たちは同じぐらいツラいはずなのに「がんばってね」っていう声しか聞こえなくて、それで「逃げるのはやめよう」と思って、へろへろになりながらも今まで頑張れたと思います。本当にありがとうございました」(モモコ)

 「24時間、私もやりきれるか本当に不安で、夜中の2時とかお客さんが3人ぐらいしかいなかったらどうしよう? って思っていたんですけど、夜中になっても結構な人数のお客さんがいてくれて、みんなにすごく励ましてもらったりとか……みんなだって疲れてるのに「がんばってね」とか「もうちょっとで終わるから」って優しい言葉をかけてもらって、何とか乗り切ることが出来ました。24時間っていうかけがえのない時間をBiSHと一緒に過ごそうって思ってくれた清掃員のみんなには本当に感謝しかないし、24時間イベントを一緒に乗り切ってくれたことを本当に嬉しく思います。ありがとうございました」(ハグ・ミィ)

 「えっと……初めてひとりで喋ったり……なんか(涙が溢れる)24時間一緒にいてくれる人とかもいて、「アイナが頑張ってるんだったら頑張る」みたいな……そんな人間にお母さん以外に出会ったことがなかったから、本当に嬉しくて。「ツラくないです」とか言ってたんですけど、めっちゃツラくて! ヤバいときとかに清掃員の人とかが「あと何回だから」とか「これ終わったら成長できるから」みたいなガチの励ましをくれて、「24時間イベント、ナメてたわ」と思って……なんて言ったらいいか分からないんですけど、愛を感じました。すごい、すごい幸せです。これからも頑張りたいなって思いました。こんなんでヘコたれないように、次は40……時間ぐらい出来るように(笑)(スタッフも清掃員も必死に拒否)自分に悔しい部分とかもめっちゃあったから、次は絶対に悔しい部分とかなしで、また別の方法で、自分に負けないように頑張ろうって今日ほんまに思ったんで……今日はずっと一緒にいてくれてありがとうございました」(アイナ)

 「ライブ中、すごく元気だったんですよ。なんでかな? って考えたんですけど、やっぱり皆さんが私たちをすごい笑顔で見てくれて、ツラいはずなのに元気で、こっちにも元気を与えてくれて、すごくハッピーな時間だったから、私もすごく楽しくて、ずっと。「鉄人」みたいなことをニコ生で書かれてたんですけど、ずっと楽しくて、それは皆さんがいたからだなって思うんですけど……次でこの24時間イベントは完走してしまいます。私たちは明日メジャーデビューします。この24時間、私の生誕祭とかもやってくれてすごく幸せだったし、皆さんと一緒に過ごせた時間はすごくかけがえのないものだと思って、すごく大切な時間だったと思います。私たちBiSHにはこれからいろんなことがあるかもしれないけど、大きな力になると思って、すごく感謝しています。ありがとうございます」(チッチ)

<「サライ」みたいに「ALL YOU NEED IS LOVE」シンガロング>

 それぞれに不器用なりにも想いを届けると、最後は「「サライ」みたいにね、「ALL YOU NEED IS LOVE」をみんなで歌いたいんですよ。一緒に歌ってくれますか?」と、なんとアカペラで同曲を歌唱し、メンバーも清掃員も涙を溢れさせながらシンガロングを生み出す。

 溢れる想いが 満たせぬようなものなら
 ここで一回 ぶっ壊してやる
 now and never forget the past
 明日へとつなげよう

 こうして感動的に幕を閉じたと思われた【24 Hour Party BiSH】だが、BiSHの面々はアンコールに応えて今一度ステージへ。「これで最後だぁぁぁ! 一緒に駆け抜けようぜぇ!!!」1セット目の1曲目同様に「BiSH -星が瞬く夜に-」を全身全霊でお届け。インディーズ時代最後のアクトを圧倒的な熱量とエモーションでもって締め括った。

 なお、現在、BiSHはメジャーデビューシングル『DEADMAN』のリリースイベントを引き続き各所で開催中(http://bit.ly/1WdFD1B)。24時間イベントという強烈な難関を乗り越え、またひとつ進化を遂げ、いまだかつてないストーリーへと突き進んでいく6人の今後にもぜひ注目してほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:Jumpei Yamada


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