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3月4日に待望のデビュー作『ウィー・アー・キング』をリリースした女性3人組、KING(キング)の初来日公演が、5月2日ビルボードライブ東京で行われた。
パリス&アンバー・ストローザーの双子姉妹とアニータ・バイアスの3人からなるキング。2011年に初のEPをリリース直後、プリンスのオファーによりイングルウッド公演で前座を務め、その後エリカ・バドゥが「こんな音楽聴いたことない」と絶賛。他にも、ジャム&ルイスやケンドリック・ラマーなど多くのアーティストから注目を集めている彼女らの初来日とあって、ファンが心から待ちわびた本公演。キングは“完璧”なステージを私たちに見せてくれた。
メンバーそれぞれが黒の個性的な衣装で登場し、「MISTER CHAMELEON」「THE GREATEST」で幕を開けると、序盤から会場はどんどんグルーヴィーな空気に包みこまれていく。パリスがプロデュースする楽曲は、ノスタルジックなR&Bも感じさせつつ、メロウかつエレクトロニックなアクセントも織り交ざった世界観で構築されている。そこにアンバーとアニータの高低がしっかりついたコーラスワークが加わることで、この上ない耳心地の良さに酔いしれることが出来る。
中盤、「SUPERNATURAL」で会場が盛り上った後、「私たちをファミリーに迎えてくれたプリンスに捧げます」と語り3人にとって思い出深い楽曲である「Hey」を披露。演奏が始まるとアンバーは目に涙を浮かべ、3人が何度も顔を見合わせながら歌う姿からは、4月に急逝したプリンスへの彼女たちの想いが十分伝わってきた。
終盤には、パリスの口から自身らの敬愛するスティーヴィー・ワンダーと7月にロンドンで共演を果たすことが発表され、「All Day Sucker」のカヴァーを披露。アンコールでは、ロバート・グラスパーのグラミー賞受賞作『Black Radio』に収録されたパリスとグラスパーの共作にキングが参加した「Move Love」でライブの幕を閉じ、最後までファンは大喝采を贈っていた。
彼女たちの音楽はジャンルにはとらわれていない。しかし、何とも浮遊感溢れた自由なグルーヴの中には、自身らが影響を受けてきた音楽に対してきちんとリスペクトも見られる。だからこそ懐かしさと新鮮さも併せ持ち、数々の大物アーティスト達にも影響を与えてしまうのだろう。プリンスを始め、<アーティストから愛されるアーティスト>であるキングのステージは、日本のオーディエンスの心にもしっかりと刻み込まれたはずだ。
Photo: Masanori Naruse
Text:神人未稀
◎公演情報
【キング】
2016年5月2日(月)ビルボードライブ東京
2016年5月4日(水)ビルボードライブ大阪
◎リリース情報
『ウィー・アー・キング』
2016/03/02 RELEASE
Pヴァイン・レコード
PCD-24490 2,592円(tax in.)
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