藤巻亮太、3月9日にアコースティック・スペシャルライブを披露! 新作『日日是好日』、そしてレミオロメンの名曲の数々に浸る一夜をレポート!

2016年3月11日 / 10:00

 3月23日に新作アルバム『日日是好日』のリリースを控えた藤巻亮太が、3月9日にビルボードライブ東京にてアコースティック編成でのスペシャルライブを行った。

 普段は2ショーで公演が行われるビルボードライブ。この日の1stステージは、藤巻にとって初の写真集『Sightlines』でも関わった登山家の野口健を招き、完全招待制でトーク&ライブ。そして2ndステージは【『日日是好日』SPECIAL LIVE】と題し、前述の新作アルバムからの新曲を交えつつのステージとなった。このレポートではその2ndステージの模様をお届けする。

 アコースティック編成ということで、この日はアコースティック・ギターを携えた藤巻に加えて、ピアノの河野圭、エレクトリック・ギターの楢原英介(VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)というミニマムな3人編成。300人キャパという会場の親密さも加わって、日本語の語感を大切にした藤巻の歌唱の魅力が生々しく伝わるライブとなった。

 ライブがスタートすると一曲目はレミオロメンの名曲「Sakura」。近年、レミオロメンのレパートリーを解禁したという藤巻の粋な選曲に一曲目から会場に一体感が広がる。曲調に合わせたように会場には、うっすらとしたピンクの照明が降り注ぎ、演奏のムードをささやかに演出。この日のライブはこうしたさりげない照明の演出が各演奏曲で効果的に使われていた。

 続くMCでは藤巻から会場への挨拶に加えて、新作『日日是好日』に至るまでの経緯も説明。2013年のソロ・デビューアルバム『オオカミ青年』以降、自身がどのようにアーティスト活動を進めべきか深く悩む中で、野口健とともに世界各地を旅し、自身を客観視できる時間を得たこと。そして、「日日是好日」という言葉と出会い、アーティストとしての活動を先に進めるキッカケを得たことが語られた。「そんなアルバムからこの日は何曲か披露したいと思います!」という藤巻の言葉に続き、この日の2曲目として新曲「回復魔法」が披露。ヒップホップ調のノリの良い歌とリズムに、この曲を初めて聴くであろう観客の多くも手拍子で応えた。

 ここからライブは“春”のパート。藤巻がMCで引いた「三寒四温」という言葉の通り、彼ならではの、どこか暗さや冷たさを潜めた、しかし、それを包み込む温かさが感じられる楽曲が続く。3曲目となった「指先」では、楢原がイントロで弾く深いエコーの掛かったギター・サウンドがどこか不穏なムードを醸しつつ、後半に行くにつれ段々とパワーを増していく藤巻の歌が圧巻のインパクトを残す。また、楢崎がギターからヴァイオリンに持ち替えて演奏された「春の嵐」、イントロのギター・リフとともに客席から大きな歓声が沸き起こった「東京」、そして『日日是好日』でも最も実験的なナンバーの一つである「かすみ草」と春にちなんだナンバーを次々と披露。5拍子のナンバーである「かすみ草」の演奏後には、さすがの藤巻本人も「みんなノレなかったね~(笑)」と、冗談めかしてコメントした。

 中盤のMCでは、メンバー紹介とともに、ビルボードライブという会場についてもコメント。「みんな食事してお酒を飲んで…俺もそっちに行きたい!」と語り会場を笑わせた。その後、3曲はバラードが続く。「おくりもの」「大切な人」という『日日是好日』からの選曲に続き、名曲「茜空」をアコギ無し+楢崎のヴァイオリンという組合せで披露。その後のMCで藤巻は「(レミオロメンの曲を)やってみると、まあ、いい曲が多い!(笑)」と、自分で言う恥ずかしさも滲ませつつ、笑いながら語った。

 そこから2曲は言わば“夏”のパートで、『日日是好日』から「夏のナディア」「花になれたら」とアップテンポな演奏が続く。全身を使ってギターを弾き、あるいは歌い、バンドはもちろん、そこに集ったファンの期待にもしっかりと応えようという藤巻の姿は、古き良き“ロック・スター”像を彷彿とさせる。再びアコギを横に置き、マイクだけを武器に熱唱された「8分前の僕ら」、そして、本編ラストとなったアップテンポなタイトル曲「日日是好日」も、ともにスターとしての藤巻の魅力を強めていた。

 あたたかい拍手に迎えられたアンコール。藤巻は「<アレをやらずに帰るの?>と思ったでしょう?」と語り、「縁起物だと思って聴いて下さい」と謙虚に前置きをして「3月9日」を披露。まるでフォーク・ソングの名曲のようなスタンダード感に溢れるそのメロディと歌唱に、番の替わり目には観客から自然と拍手が贈られる。それは、ヒット曲がどのように人の心に根付き、アーティストとリスナーを切り結ぶのかを、はっきりと示すとても感動的な光景であった。3月9日という、藤巻も語るように「365日のうちのたった1日」が、本当に特別な1日になるということの意味を身を持って感じられる。この日のライブはそんな幸福なものだった。そして、その幸福な体験は、ファンそれぞれのこれからの「日日是好日」をきっと支えていくはずだ。そんな感慨を覚える力強いステージだった。

◎公演情報
【藤巻亮太 3月9日 PREMIUM DAY !!
『日日是好日』SPECIAL LIVE】
ビルボードライブ東京
2016年3月9日(水)

<セットリスト>
01. Sakura
02. 回復魔法
03. 指先
04. 春の嵐
05. 東京
06. かすみ草
07. おくりもの
08. 大切な人
09. 茜空
10. 夏のナディア
11. 花になれたら
12. 8分前の僕ら
13. 日日是好日
En-1. 3月9日


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