「スペースシャワー列伝」ツアーファイナルでフレデリック、夜の本気ダンス等4組が激突!

2016年3月8日 / 13:00

3月6日(日)@赤坂BLITZ (okmusic UP's)

今年で9回目を迎えた「スペースシャワー列伝」ジャパンツアーのファイナルが3月6日(日)に赤坂BLITZで行なわれた。

出演は、フレデリック、夜の本気ダンス、My Hair is Bad、雨のパレードという新たな時代を切り開く可能性を秘めた4組のバンド。 全国9会場のチケットを見事ソールドアウトさせた彼らは、 互いのライバル心を剥き出しにしながら、 そのファイナルの地で列伝の歴史に新たな1ページを刻むエネルギッシュなステージを繰り広げた。

オープニングアクトはスペシャ主催のオーディション「DayDreamBeliever」でグランプリに輝いた4人組TRY TRY NIICHE。 美しいピアノのイントロによる「水面の果て」を皮切りに、 その演奏の真ん中に“歌”を置いた繊細なナンバーを届けていく。 エッジの効いたダンスナンバー「Cガール」では、 ヲクヤマ(Vo・pf)が「踊れる準備はできてますか?」と夜の本気ダンスを真似てみたり、 柴山大樹(G)はフレデリックの「オドループ」のギターを弾いたりと、 後に出演する先輩バンドの胸を借りてオーディエンスの心を掴む場面も。 昨年7月に結成されたばかりとは思えない完成度の高いステージで存在感を残した。

本編の一番手として登場したのは3月2日にメジャーデビューを果たしたばかりのアート系4人組ロックバンド、雨のパレード。全員が黒い衣装で姿を現すと、電子ドラム、サンプラーなどを駆使した前衛的なナンバー「epoch」からフロアに言い様のない陶酔感を生み出していく。MCでは「メジャーもインディーも関係ないけれど、 偉大な通過点になるようにしたいです」と、福永浩平(Vo)。新たな環境に身を置く決意を語ると、 続く「Tokyo」が素晴らしかった。九州出身の福永が見た東京。 あらゆる人が夢を追い求めて訪れるその場所は、“夢を捨てても生きていける街だ”と歌う。そして、ラストナンバー「new place」では、福永は感情を昂ぶらせて絶叫。一見、オシャレなクリエイティブ集団という佇まいの雨パレだが、彼らはそこにとんでもない激情を隠し持つバンドだった。

続いては、剥き出しの感情をぶつける、怖いもの知らずのパフォーマンスを見せた新潟の狂犬、My Hair is Bad。「真赤」からスタートしたアグレッシブなステージで、いきなり聴き手の感情をかき乱していく。MCでは椎木知仁(Vo・G)が最前列の柵に身を乗り出して、熱い口調でツアーを振り返った。「全部いちばんになると思ってたけど、何ヵ所か負けましたっ!」。 唯一のインディーズバンドでもあるマイヘアは、周りのバンドが敵に見えていた。しかし、次第に認め合い、深まったバンド同士の絆を、熱いトーキングブルースにのせて赤裸々に綴る。そして最後に、わずか30秒で駆け抜けたファストチューン「クリサンセマム」へ。そこで椎木は「この4バンドでまたやりましょう!」と力強く叫んだ。それは今回のツアーを通じてマイヘアがかけがえもないものを手に入れたことを物語っていた。

通称“MCモンスター”の異名をとる鈴鹿秋斗(Dr)が「踊れる準備はできてますかー!?」と呼びかけてスタートした夜の本気ダンスは、いきなり真骨頂のダンスロック「By My Side」でフロアをもみくちゃにした。町田建人(G)が奏でる泣きのギターリフ、マイケル(B)&鈴鹿の強靭なリズム隊。00年代のロックンロールリバイバルに影響を受けた夜ダンのグルーヴは、頭で感じるより先に体を動かしてしまう破壊力がある。そして、9日にリリースされるメジャーデビューアルバム『DANCEABLE』の新曲「Crazy Dancer」、米田貴紀(Vo・G)がハンドマイクで歌い、キレのある足さばきを見せた「fuckin’ so tired」へ。果てしない狂騒の中、「新しい時代を引っ張っていくのは俺たちだ!」と宣言した鈴鹿の言葉は決してビッグマウスではない。そう確信する圧倒的なパフォーマンスだった。

「幸せなどつき合いをしようや!」。個性派ぞろいの2016年の列伝ツアーの最後を締めくくったのは、そんな連中に負けない中毒性の高い独自のロックを貫く神戸発のフレデリックだった。1曲目の「オワラセナイト」から、ユニークな語感に3人の緻密な演奏が絶妙のバランスで重なるナンバーを次々に披露。「うわさのケムリの女の子」ではステージ一面にスモークを焚く演出で幻想的なムードを作り上げると、バンドの代表曲「オドループ」では、ハンドクラップでフロアを一体に。ラストは、「俺たちはNo.1にはなれへんかったかもしれん。でもオンリーワンです!」と、三原健司(Vo・G)が熱く叫んで届けた新曲「オンリーワンダー」へ。言葉にできない想いの丈をすべて歌へと込めた熱演だった。

アンコールで再びステージに戻ってきたフレデリック。健司は一緒にツアーを回った仲間に「大好きだ」とメッセージを伝えたが、中でもマイヘアに向けた言葉は印象的だった。「初めての福岡公演。1本目。椎木にMCで“俺は踊ってない夜”(=「オドループ」のこと)しか知らない”ってケンカを売られた。めっちゃ嫌いになった。でも9ヵ所回ってひっくり返された。大好きになった」と。全員がNo.1になりたい負けず嫌いなバンドマンたちだ。互いの意地とプライドをぶつけ合うツアーの道中には、ファイナルだけ見るとわからない葛藤もあっただろう。そんなツアーの物語を想像させるMCに胸が熱くなる。

そして、フレデリックが「ハローグッバイ」を披露したあと、全バンドを呼び込んでラストセッションへ。披露したのは斉藤和義の「歩いて帰ろう」カバーだ。フレデリック、マイヘア、雨パレ、夜ダン。総勢15名がステージに並び、順番にボーカルをとる大団円。その途中でマイヘアの椎木が「ちょっと待って! 列伝ツアーいろいろ迷惑をおかけしてすみませんでしたっ!」と切り込んだ。 そして、フレデリックとの“福岡の夜”に触れて、改めて「オドループ」をリクエスト。全員で「オドループ」を歌うという異例のフィナーレとなった。

このツアーの模様は、4月15日(金)24時からドキュメンタリー編を、さらに4月22日(金)24時からはライブ編を2週にわたり、オンエアすることが決定した。各地で新しい世代の風を巻き起こしながら、大きく成長した4組の様子をぜひ目撃してほしい。

Text by 秦理絵

Photo by 古渓一道

【セットリスト】
■TRY TRY NIICHE (OPENING ACT)

1. 水面の果て

2. さよならエイミー

3. Cガール

4. initiation

■雨のパレード

1. epoch

2. 揺らぎ巡る君の中のそれ (New recording)

3. Tokyo

4. encore

5. new place

■My Hair is Bad

1. 真赤

2. アフターアワー

3. 元彼氏として

4. マイハッピーウェディング

5. フロムナウオン

6.優しさの行方

7.クリサンセマム

■夜の本気ダンス

1. By My Side

2. WHERE?

3. Crazy Dancer

4. fuckin’ so tired

5. 戦争

■フレデリック

1. オワラセナイト

2. 愛の迷惑

3. プロレスごっこのフラフープ

4. うわさのケムリの女の子

5. オドループ

6. オンリーワンダー

En. ハローグッバイ

■アンコールセッション

1. 歩いて帰ろう(斉藤和義カバー)

2. オドループ


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