1990年の日本の音楽革命に今一度注目してみた5選

2016年2月22日 / 18:00

東京スカパラダイスオーケストラ『Stompin' On Down Beat Alley』のジャケット写真 (okmusic UP's)

昭和天皇が崩御されて年号が“平成”に変わり、美空ひばりが亡くなり、“昭和”の終焉を感じさせた89年を経て、何かが大きく変わろうとしていた1990年。歌謡曲が“J-POP”に呼称を変え、クラブ・ミュージックの台頭によって音楽シーンも大きく変わろうとしていたあの頃。当時、中学3年生だった僕はレンタルCD屋さんに足繁く通い、次々とリリースされる聴いたこともない音楽たちにドキドキしてたもんですが。今振り返っても、1990年という年はその後の日本の音楽シーンを変える、とんでもない年だったみたいです!

1.「おどるポンポコリン」(’90)/B.B.クィーンズ
90年がどんな年だったのか? ピンとこない人に思い出してもらうためにヒットチャートを振り返ると、130万枚を売り上げて、年間チャート断トツ1位を叩き出したのが、89年よりスタートして大人気作となった『ちびまる子ちゃん』のテーマソング「おどるポンポコリン」。CDセールスで100万枚を超えたのはこの作品が始めてで、翌年91年からはCDの普及により、ミリオンやダブルミリオンが続出! この後、数年間続く“音楽バブル”と呼ばれる時代の幕開けとなったのが90年だった。

2.「恋とマシンガン」(’90)/フリッパー・ギター
80年代末から続くバンドブームが未だに強い影響を与え、“渋谷系”という言葉がまだ浸透していなかったこの頃。ドラマ『予備校ブギ』の主題歌として流れた「恋とマシンガン」のオシャレなサウンドは、あまりにも都会的で衝撃だった! 89年、全編英詞の1stアルバム『three cheers for our side ~海へ行くつもりじゃなかった』リリース後、彼らを広く知らしめた2ndアルバム『CAMERA TALK』をリリースしたのが90年。ネオアコ、ギターポップなどの流れを汲んだ彼らの最先端の音楽は、バンドブームに熱狂する人たちにまったく新しい価値観を与えるのに十分すぎるものだった。

3.「電気ビリビリ」(’90)/電気グルーヴ
89年、前身バンドである人生を経て結成。今回、90年を振り返ろうと思ったのは、映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~』を観たからというのも大きいが、僕にとっても電気との出会い、テクノ、ハウスという音楽との出会い、彼らの悪ふざけ&ひねくれ根性との出会いは自分の人生を変えちゃうほど大きなものだった。90年、電気グルーヴはインディーズ盤『662 BPM BY DG』をリリース。大げさにいうとこの作品がなかったら、今のようにエレクトロやEDMなどが日本に普及していなかったかもしれない。

4.「DOWN BEAT STOMP」(’02)/東京スカパラダイスオーケストラ
先に言っておくと、「DOWN BEAT STOMP」はかなり後(02年発表)の楽曲で、本当は「MONSTER ROCK」を紹介したかったのだが、iTunesになかったので。90年発表、『スカパラ登場』を聴いた時の頭がパッカーンと開いたような感覚もものすごかった。これまた“スカ”なんて言葉を聴くのも始めてだったし、こんな軽快で明るい音楽を聴いたことがなくって。もちろん、スカダンスなんて知らなかったけど、立ち上がってデタラメに踊ってみたのを覚えてる。長野のクソ田舎に住んでる15歳の俺に東京への憧れを強く抱かせてくれた一枚でした。

5.「スチャダラパーのテーマPT.2」(’90)/スチャダラパー
まだ“日本語ラップ”も世に知られてなかった頃、海外のヒップホップシーンと日本のサブカルシーンを結合させた“オモロラップ”を提唱してシーンに登場。90年にリリースされた、1stアルバム『スチャダラ大作戦』を聴いて、ヒップホップってもっとマッチョなイメージだったから、脱力ラップもサンプリングも何もかもが新鮮かつ衝撃的で、「こんなのアリなの!?」とひっくり返った。今の若いミュージシャンを見て、もっとめちゃくちゃやれば良いのにと思ってしまうのは、この時代と比較してしまうからかもしれない――。


関連ニュースRELATED NEWS

音楽ニュースMUSIC NEWS

INIの大規模展覧会、未来への意志を込めたサブタイトル&キービジュアル公開

J-POP2024年4月18日

 INIの大規模展覧会のサブタイトルが「DESTINED HORIZONS」に決定し、撮り下ろしキービジュアルが公開された。  2024年5月24日~6月30日まで、東京ドームシティのGallery AaMoにて開催される【INI EXHI … 続きを読む

BE:FIRST、新曲「Masterplan」SNS生配信リレー&様々なYouTubeコンテンツ公開を予告

J-POP2024年4月18日

 BE:FIRSTが、新曲「Masterplan」のコンテンツカレンダーを公開した。  2024年4月22日に先行配信、4月24日にCDリリースとなる新曲「Masterplan」。先行配信日にはMVのYouTubeプレミア公開が決定していた … 続きを読む

【先ヨミ】超特急『Just like 超特急』6.7万枚で現在アルバム1位を走行中

J-POP2024年4月18日

 今週のCDアルバム売上レポートから2024年4月15日~4月17日の集計が明らかとなり、超特急の『Just like 超特急』が67,312枚を売り上げて首位を走っている。  『Just like 超特急』は超特急の1st EPで、4月1 … 続きを読む

【先ヨミ】ME:Iデビューシングル『MIRAI』22万枚で現在シングル1位

J-POP2024年4月18日

 今週のCDシングル売上レポートから2024年4月15日~4月17日の集計が明らかとなり、ME:Iの『MIRAI』が220,998枚を売り上げ、現在首位に立っている。  日本最大級のサバイバルオーディション番組初のガールズ版『PRODUCE … 続きを読む

マンウィズ、木村拓哉への提供曲「I’ll be there」を新主演ドラマ『Believe』主題歌としてセルフカバー

J-POP2024年4月18日

 MAN WITH A MISSIONが、木村拓哉が主演を務めるテレビ朝日開局65周年記念 木曜ドラマ『Believe―君にかける橋―』の主題歌を担当することが決定した。  本ドラマは、橋づくりに情熱を燃やす狩山陸(木村)が、刑務所に収容さ … 続きを読む

Willfriends

page top