エンターテインメント・ウェブマガジン
“砂漠のブルース”なんていうキャッチフレーズでワールドデビューし、音楽ファンの度肝を抜いたのは早15年ほど前のこと。ティナリウェンを取り巻く状況は、日々劇的に変化している。サハラ砂漠の遊牧民であるトゥアレグ人である彼らは、ここ数年はイスラム過激派やマリ共和国の政府軍との紛争に巻き込まれているからだ。実際、一時拘束されたメンバーもいるほどだが、不屈の精神で活動を続け、2014年発表の前作『エンマー ~灼熱の風~』は、弾圧を逃れて米国のヨシュア・トゥリーでレコーディング。そして、そのリリースを受けて大規模なワールドツアーを行い、最終日の模様を収めたのがこの『不屈の魂~ライヴ・イン・パリ』というライヴ・アルバムである。
彼らの魅力といえば、うねるようなギターのブルージーなフレーズと、そこに絡んでくるヴォーカルとコーラスのコンビネーションにつきるだろう。7人のメンバーのうち、5人がエレクトリック・ギターをかき鳴らしながら歌い、これにベースとパーカッションが併走してくる。曲によっては手拍子なども加わり、淡々としたリズムの合間から浮かび上がるのは、トランシーなグルーヴだ。そして、そのシンプルながら凄まじい流れに乗って聞こえてくる男声コーラスが、まるで嘆きと祈りのように聞こえてくるのだ。ライヴならではの揺れやヨレ具合がまた、彼らの演奏が持つ躍動感を感じさせてくれる。オープニングとエンディングには、ティンデというパーカッションの名手であるララ・バディが加わり、さらに強力な酩酊感を生み出しているのが見事だ。これまでのスタジオ録音作はどれも聴き応えがあるが、このライヴ盤こそ最高傑作と言ってもいいかもしれない。
ティナリウェンが奏でる音楽は、攻撃的かつ個性的であることは、聴く者誰もが感じるだろう。そして、ライヴ・レコーディングすることで、さらにその凄みを体感できるはずだ。加えて、昨今の社会情勢に目を向けざるを得なくなるというのも、彼らの存在価値を高めている。奇しくも悲惨なテロ事件が起こったパリでの録音ということもあり、2015年を忘れないための記録作品になっていくことだろう。
Text: 栗本 斉
◎リリース情報
『不屈の魂~ライヴ・イン・パリ』
ティナリウェン
2016/01/06 RELEASE
2,808円(tax incl.)
J-POP2024年4月25日
京本大我(SixTONES)が初の映画単独主演を務め、6月28日より全国公開される映画『言えない秘密』の新たな場面写真7点が解禁となった。 伝統ある音楽大学を舞台に、過去の出来事からトラウマを抱えた湊人と、どこか謎めいた雰囲気のある雪乃 … 続きを読む
洋楽2024年4月25日
モトリー・クルーが、新曲「Dogs of War」とそのミュージック・ビデオを現地時間2024年4月26日にリリースする。 この楽曲とMVは、米ナッシュヴィルのビッグ・マシン・レコードとの新たな契約の下での最初のリリースとなる。また、バ … 続きを読む
J-POP2024年4月25日
世界各国でヒットしている日本の楽曲をランキング化した “Japan Songs(国別チャート)”。今週はCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が7か国で首位を獲得した(集計期間:2024年4月12日~4月18日 … 続きを読む
J-POP2024年4月25日
世界でヒットしている日本の楽曲をランキング化した “Global Japan Songs Excl. Japan”。今週はCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が首位を獲得した(集計期間:2024年4月12日~ … 続きを読む
J-POP2024年4月25日
MAN WITH A MISSIONが、今夜4月25日21時スタートの木村拓哉主演 テレビ朝日開局65周年記念 木曜ドラマ『Believe―君にかける橋―』の主題歌「I’ll be there」を配信リリースした。 「I’ll be t … 続きを読む