BiSH クソアイドル初の全国ツアー広島珍闘編「おちんちん大好き!」無口担当リンリンの心情吐露も

2015年12月4日 / 23:12

 元BiSマネージャーの渡辺淳之介が「BiSをもう一度始める」と始動させた新生クソアイドルグループ BiSH。11月28日 初の全国ツアー【BiSH Eden of Sorrow Tour】の広島公演がHIROSHIMA BACK BEATにて開催された。

<「ぶっ殺すぞぉぉぉぉお!」楽器持たぬハードコアロックバンド>

 血気盛んな清掃員(BiSHファンの総称)による熱気渦巻く中、LUNA SEA「END OF SORROW」が会場に響き渡ると、ステージへ繋がる階段から降り立つメンバー6人。「ツアー6日目ぇぇぇえ! エデンオブソロォォォオ! ヒロシマァァァア!」「BiSHが広島にきーたーぞぉぉぉぉぉぉお!!」「ついてこねーとぶっ殺すぞぉぉぉぉお!」

 もはやアイドルらしさとは何なのか考える気も失せさせる、そもそもBiSHはアイドルじゃなく楽器を持たないハードコアロックバンドなどではないか? と思わせるような絶叫を可愛い顔して響かせ、そのイメージに相応しい楽曲群、それに呼応しながらモッシュ、ダイブ、リフト、ウォールオブデスと思いつく限りの狂喜乱舞で狭いライブハウスを鳥獣戯画の宴と化してみせる清掃員たち。だけど、客席に女性専用エリアを設けていたり、ファン同士も倒れたら救い合ったりと、フリーダムな現場でありながらも誰でも怪我なくちゃんと楽しめるよう、運営もオーディエンスも気配りしているのがまた印象的だった。

 それは、BiSHはパンクでロックでありながらポップでもあろうとしているから。「ぶっ殺すぞぉぉぉぉお!」とどんなに叫んだところで可愛い女の子であるのには変わりないし、音楽性は激しいながらもどれもメロディアスであり、ファンも獣のようによく暴れはするもののずっと笑ってるし、ちゃんとコミカル。この現場に怖さはない。

<「おちんちんと言えば!」「MONSTERS!!!」>

 そして羞恥心も存在しない。メンバー間で「広島と言えば?」「チンチン電車!」「チンチン電車と言えば?」というやり取りをしている中、「え、ちんちん? おちんちん大好き!」と誰も求めてない下ネタを言い放ち(危ない熟女を称するハグ・ミィ)現場に変な空気を流し、それでも「おちんちんと言えば!」「MONSTERS!!!」と強引に次の曲へ入っていったりもする。ちなみにこのハグ・ミィというメンバー、『ハグ・ミィのドピューロランド』なるコラムを連載しており(http://bit.ly/1HHFlKg)、局部を脱毛するブラジリアンワックス体験レポートなどを執筆しているので、そんなぶっ飛んだアイドルがいるの!? と驚かれた方はぜひ注目してほしい。

<覚悟の表れか 成長した6人のパフォーマンス>

 そんなBiSHの良くも悪くも個性がよく出ている今回のツアー。6人のパフォーマンスもかなり成長しており、歌もダンスもツアー前に比べるとこちらの涙腺を緩ませる瞬間が増えてきた。楽曲やオーディエンスの凄みに飲み込まれるのではなく、それらをさらに引き出すステージングというものを心得てきているようにも感じる。

 それは彼女たちの覚悟の表れとも言えるかもしれないが、この日最も覚悟を感じさせてくれたメンバーと言えば、お披露目からまだ3か月ながら必死に慣れない表舞台に立ち続けてきた途中加入の無口担当 リンリン。今回のツアーは各公演1人ずつメンバーが心情吐露するコーナーも設けられており、この日の出番は人前で話すのが最も苦手なリンリンであった。

<「教室から出ちゃおうかな」とか「学校休んじゃおうかな」とか>

 「普段喋らないのでカタコトかもしれないけど、今思ってることを喋るので、なんとなくでもいいので聞いてください。…………どうしよう? 私、人とか苦手で、今も人がいっぱい(私を)見ててちょっとイヤなんですけど…………学校とかで何か発表するのもブルブルしちゃって、友達3人以上で喋るってなるとなんかもうアル中みたいに手とか震えちゃって、でもBiSHのメンバーは、BiSHのことが好きだからか分かんないんですけど、何するのも楽しくて、何にも緊張しなくて。本当は人前とか怖くて怖くてしょうがないんですけど、食堂とかも手をどうやって歩けばいいのか分からなくなるけど、ここに立ってるのはすごく楽しくて、とにかくBiSHの活動は全部楽しくて……

 私、人に自分の思ってることを予想されても全部違うんですよ。「今、ウザいって思ったでしょ?」とか「楽しくないでしょ?」とか言われるけど、本当は全然楽しいし、ウザいとか思ってなくて……初めて舞台に立ったときから「全然この人笑わない」「無表情」とかツイッターによく書かれてたんですよ。それがすごくイヤで。本当は凄い楽しんでるのに「全然伝わってないんだな」と思って。で、なんか……頭が分かんない。……とにかく楽しいんですよ! 今、すごく。最近はみんなが送ってくれる(私の)写真も笑顔が増えてて、ちょっとずつ成長できてるんじゃないかなって。そうやって私が楽しんでるのがちょっとずつでも伝わったらいいなって思ってます。

 BiSHが好きなんです。今まではイヤなことからいつも逃げようとしちゃって、「教室から出ちゃおうかな」とか「学校休んじゃおうかな」とか思ってて、これ(こうして一人で喋ること)もさっきまでイヤだったんですよ。でもとにかくBiSHは好きで、最近は「やりたくないな」って思っていたことも全部楽しくて、ちょっとずつ挑戦もできて、BiSHに入ってすごく良かったなって思ってます。これからもちょっとずつ……自分を表現するのはすごくヘタクソで苦手なんですけど、いろんなことに挑戦して頑張っていきたいと思うので、成長は……どうでもいけど、とりあえず見ててください!」

<全員でその人生のすべてを爆発させるように歌い踊る様>

 不器用すぎるし、時に支離滅裂になっていたが、それでも真っ直ぐ気持ちを届けようとしたリンリンの心情吐露を経て、ライブは先日MV(https://youtu.be/RMJvYShrsck)が公開されたばかりの新曲へ。「私とメンバーのいろんな想いが詰まった曲です。聴いてください、ALL YOU NEED IS LOVE」 先のリンリンの喋りのように淡々としていて、でも静かに想いがこぼれていくバラード……と思いきや、終盤にサウンドもテンポも想いも一気にスパークしていくナンバーなのだが、6人が6人全員でその人生のすべてを爆発させるように歌い踊る様はめちゃくちゃながらも凛々しく、それに呼応して暴れ回るオーディエンスの光景もいつかの青春そのもの。客席からは「ありがとう!」の声も飛んでいた。

 しっかりと人の心を揺さぶれるようになってきた6人。無論、そのキャリアの短さゆえ拙い部分も多くあるが、彼女たちの本気がBiSHをどこまで成長させるのか、俄然楽しみになってきた。次回のツアー取材予定は来年1月19日 東京・恵比寿リキッドルーム。かつてBiSが衝撃的なワンマンライブ(http://bit.ly/1haybkq)を行った地でどんなライブが生まれるのかも、しっかり見届けたいと思う。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:Jumpei Yamada


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