くるり主催「京都音楽博覧会2015」、大盛況のうちに終了!

2015年9月23日 / 15:00

9月20日(日)@「京都音楽博覧会2015 IN 梅小路公園」(くるり) (okmusic UP's)

2016年にバンド結成20周年を迎えるくるりが、9月20日(日)に「京都音楽博覧会2015 IN 梅小路公園」を開催した。

12:00。くるりの岸田繁(Vo&Gu)と佐藤征史(Ba)による開会宣言で始まった「京都音楽博覧会2015 IN 梅小路公園」。初回開催の2007年より大きな発展を遂げた梅小路公園は快晴に恵まれ、青空がどこまでも澄みわたる。岸田は現在産休中のファンファン(Trumpet、Key)から届いたメールのメッセージを読み上げ、開始に向けての決意を語った。

12:05。岸田が中学生の頃に所属していた空手部での練習中に常に口ずさんでいたという憧れのアーティスト、高野寛を呼び込んだ。その高野はヒットナンバー「虹の都」でスタート。弾き語りスタイルで演奏していく。さらに、ボブ・ディランの名曲に日本語で訳詞を付けた「時代は変わる」を演奏。さらに、くるりの「ワンダーフォーゲル」をカバーし、“音博でこの曲が演奏できて最高です”と語った。その後、「ベステンダンク」を弾き語り、最後は「確かな光」で締めくくった。

12:55。次はCosmo Sheldrake(コスモ・シェルドレイク)。ロンドンを拠点に活動する25歳のヴォーカリスト/マルチインストゥルメンタリスト/プロデューサーは、DJスタイルで登場。日常のあらゆる音をサンプリングして曲にしてしまうという天才音楽家だ。岸田が“最近の英米アーティストの中で最先端の越境的サウンド。にもかかわらず18世紀的なメロディーはまるで美味しい紅茶のよう。凄すぎて説明できませんが、きっと英米シーンは彼を中心に変わっていくことでしょう”と語っているとおり、その音楽、プレイごとにオーディエンスを完全に魅了していった。日本でも虜になった人が多い「Prefusify」や「Rich」などを披露した。

13:40。先日、最終発表となったばかりの木村カエラ。同イベントには3年ぶりの出演で、岸田とともにステージへ登場した。岸田がアコースティックギターを奏で、2人で木村の最新シングル「EGG」を弾き語りで演奏。そして、くるりの佐藤をはじめ、バンドメンバーである松本大樹(Gu)、野崎泰弘(P)、mabanua(Dr)を呼び込み、「Sun shower」をその日限りのスペシャルメンバーで聴かせると、そのまま「Butterfly」に流れ込む。演奏中に、BOBO(元くるりサポートDr)がタンバリンで突如乱入するハプニングもあり、会場は沸き上がり、大合唱も起こった。最後は映画の主題歌にもなったくるりの「奇跡」を、木村と岸田の2人で弾き語り披露。3年前のこのステージでも披露したナンバーを、木村も“くるりの曲の中でも大好きなナンバー”と語り、実に伸びやかなヴォーカルで歌い上げ、ステージを下りた。

14:25。2012年2月に川谷絵音を中心に結成された、indigo la Endが登場。メジャー1stアルバム収録の「心ふたつ」でライヴはスタート。川谷のヴォーカルとギターがメロディアスな世界を作り上げ、それをリズム隊がしっかりと支える中、演奏力の高さも窺える。そして、同アルバム収録の「幸せが溢れたら」を続けてプレイ。さらに、シングル「悲しくなる前に」のカップリング曲「夏夜のマジック」を披露し、最後は「素晴らしい世界」。川谷の切なくも力強いアカペラのみで歌われるというパフォーマンスで締めくくられた。

15:15。まだ日差しが強く照りつける中、ステージにはましまろが登場。真城めぐみ(Vo/ヒックスヴィル)、真島昌利(Gu&Vo/ザ・クロマニヨンズ)、中森泰弘(Gu&Vo/ヒックスヴィル)の3人で結成され、話題となっているバンドで、真城が歌う「体温」からスタート。続く「僕と山ちゃん」「公園」では、真島がリードヴォーカルを取る。デビューしたばかりのバンドとはいえ、その熟練の歌とプレイ、存在感に会場は圧倒される。最後は1stシングル曲「ガランとしてる」で魅了した。

15:55。続いて、八代亜紀の登場。ステージに上がるだけで、大歓声が起きる。ジャズアルバム『夜のアルバム』で世界デビューを果たし、世界の音楽チャートの上位を軒並みマークして話題になったが、そのジャズのスタンダードナンバーを続けざまに披露、観客を魅了していく。“日焼け止め塗るのを忘れた”と八代が語るくらい、西日はまだまだ強い。“でも、これって八代亜紀晴れ(やしろあきばれ)って言うのよね”と会場の笑いを誘うと、“そうだ、あれやってもいい?”と例のジェスチャーをして、1980年発表の代表曲「雨の慕情」のイントロが流れ出す。オーディエンス全員が、あの振り付けで大盛り上がり! 最後は10月28日にリリースするニューアルバムについて、アメリカ・メンフィスでの旅の話の中で素晴らしい音楽の街に出会ったと賞賛したことから、“日本にもそんな街を作りたいよね。そういう意味で言うと、くるりもいいじゃない。音博、ずっと続けてね”とエールを送り、最後は「舟唄」を見事なジャズアレンジで披露。圧巻のパフォーマンスだった。

16:55。続いて、現代ブラジル最注目のシンガーソングライターでいて、マルチ奏者、コンポーザーでもあるAntonio Loureiro(アントニオ・ロウレイロ)。この日のステージでは、グランドピアノ一台の弾き語りでライヴを展開していく。落ちる夕日にしっとりとピアノの旋律を融け合わせるとともに、グルーヴ感のあるピアノプレイでも魅せた。

17:55。夕日も落ち始めた頃、ワインレッドのお揃いのシャツで登場したくるりとライヴメンバー。岸田の“ただいま”という一声で始まったのは「Time」。岸田、佐藤、松本、野崎、mabanuaに加え、昨年の音博に初出場したトミ・レブレロ(バンドネオン)も参加した、最強の布陣だ。続いて「ブレーメン」を披露し、その後“いきなりですが、カバーをやります”と演奏したのは、岸田が在籍するサンフジンズの「パン屋さん」。さらに、“誰も知らん曲やろか”と、くるりの未発表曲2曲を初披露。岸田もMCで“八代さんも言っていたように、自分で自分の事を褒めるのは大事なこと。自分で褒めるの、何か嫌ですけど、この音博は褒めてあげたい。今日、来てくれたお客さん最高や”とこのイベントが継続できてきたことをオーディエンスとともに称え、9月16日にリリースしたばかりの「ふたつの世界」をスペシャルバージョンで披露した。ここで、一旦ドラムのmabanuaがステージを降り、Twitterで公募した選曲リクエストの中で希望が多かったという「真昼の人魚」を続ける。ドラムレスのチェンバーロックのようなスタイルで、また異質のグルーヴを生み出していく。そして、バンドネオン奏者であるトミ・レブレロのヴォーカルから「キャメル」に流れ込み、じっくりと聴き入るオーディエンス。続く「京都の大学生」では、ジャジーで異国情緒あふれる空気感を醸し出した。“このイベントも来年10回目、くるりも結成20周年を迎えますが、まだまだお祝いには早いぜ”と次の「Baby I Love You」「ペンギンさん」へ。岸田の“音博やってて良かった、くるりやってて良かった”という言葉から、「京都音楽博覧会」では恒例となっている「宿はなし」で、すべてのパフォーマンスを締めくくった。

さらに、今年は会場の梅小路公園と隣接する京都水族館とのコラボイベントとして、『「京都音楽博覧会 presents Quruli aQuarium 」〜京都音楽博覧会 公開打ち上げ〜』がイベント終了後に行なわれた。これは音博の興奮をそのままに、夜の水族館という幻想的な空間で、くるりの音楽を聞きながら過ごすという一夜限りのイベント。同館内「イルカスタジアム」でくるりの「ワンダーフォーゲル」や「ふたつの世界」に合わせて、スペシャルイルカパフォーマンスが次々に展開され、限定1,000人のお客さんも大絶叫! 同時に、くるりのレギュラーラジオ番組α-STATION『FLAG RADIO』の公開収録(9月28日(月)オンエア予定)も実施された。なんとウエットスーツ姿のくるりの2人による「ばらの花」の生ライヴや、「音博」に出演した高野寛をゲストに呼び込んで「ワンダーフォーゲル」も生セッション。予期せぬセッションなどロック史上稀に見るイベントで幕を閉じた。

【セットリスト】

■高野寛

01.虹の都へ

02.Dog year good year

03.時代は変わる

04.ワンダーフォーゲル(くるりカバー)

05.ベステンダンク

06.確かな光

■Cosmo Sheldrake

01.Prefusify

02.The moss

03.Tardigrade song

04.Rich

05.Solar

■木村カエラ

01.EGG

02.Sun shower

03.Butterfly

04.奇跡

■indigo la End

01.心ふたつ

02.幸せが溢れたら

03.夏夜のマジック

04.素晴らしい世界

■ましまろ

01.体温

02.ぼくと山ちゃん

03.公園

04.ガランとしてる

■八代亜紀

01.フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

02.クライ・ミー・ア・リヴァー

03.雨の慕情

04.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ

05.ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー

06.舟唄

■Antonio Loureiro

01.Despedidas

02.Jequitiba

03.Cabe na Minbha Ciranda

04.Livre

05.Milagreiro

06.Boi

07.Oriente

■くるり

01.Time

02.ブレーメン

03.パン屋さん

04.新曲A

05.新曲B

06.ふたつの世界

07.真夏の人魚

08.キャメル

09.京都の大学生

10.Baby I Love You

11.ペンギンさん

12.宿はなし

photo by 久保憲司/KENJI KUBO


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