Song Review: 「ドレイクVSミーク」ツイッターのバトルから生まれたドレイク新曲「バック・トゥ・バック」の秘話とは…

2015年8月12日 / 18:00

 今年2月、予告ナシにサプライズリリースされたアルバム『イフ・ユーアー・リーディング・ディス・イッツ・トゥー・レイト』が、リリース3日で50万枚を突破するという、すさまじいスピードセールスでNo.1デビューを果たしたばかりのラッパー、ドレイク。

 現在のヒップホップ・フィールドでは、最も成功しているラッパーとして王者の座に君臨し、世界にその名を轟かせているが、私生活での話題性も事欠くことなく、ゴシップ紙では一面を飾ることもしばしば。

 元カノこと、女王リアーナを挟んで、クリス・ブラウンとの勃発劇があったのも記憶に新しいが、今回はツイッター上でのバトルが勃発。ドレイクの『イフ・ユーアー・リーディング・ディス・イッツ・トゥー・レイト』に続いて、非告知型のリリースで、自身の2ndアルバム『ドリームス・ワース・モア・ザン・マネー』を首位に送り込んだ、注目のラッパー、ミーク・ミルとの対決だ。

 事の発端は、これ。ミーク・ミルからの、「ドレイクは自分のリリックを自分で書いてない。ゴーストに作らせてる。カッコ悪すぎ!」とのツイートでバトルに引火。そのツイートに対して、ドレイクが急遽、アンサーソングとしてリリースしたのが「チャージド・アップ」。とはいえ、この曲はミークへのバッシングではなく「どういわれれも俺は自分のスタイルを貫くゼ」という大人な対応に、ドレイクらしいサウンドがマッチしたナンバーだった。

 しかし、この「チャージド・アップ」のメッセージを、ミーク・ミルがスルー(シカト状態)したことが、ドレイクの導火線に再び、火をつけた。黙ってられるか!といわんばかりに、追い打ちで続けざまに新曲「バック・トゥ・バック」をドロップした。この曲は、「チャージド・アップ」でアプローチした、“俺はいたって冷静”というクールな装いを剥ぎ、表立ってミーク・ミルを潰しにかかる、ラッパーらしい一面をみせたアタック・ソングだ。

 その内容はというと…ミークの彼女である、ニッキー・ミナージュを引き出し「彼女に養ってもらってんの?世界で大成功している彼女にお前はついていけてんのか?」という、“ニッキーに比べてお前は…”的な、ミークがいちばん突っ込まれたくないリリックをぶちまけるという痛撃に出た。

 大ヒットしたばかりの「オンリー」をはじめ、ニッキーとの共演歴も長いドレイク。彼女がドレイクとの関係は一切ないと、「オンリー」の冒頭でも断言したが、恋愛関係とは別としても、ニッキー側に付くような内容をループしたのは、ミーク・ミルにとって屈辱極まりないリベンジだっただろう。

 その、あからさまな内容が世間には大ウケ、7月31日にリリースされてから、ストリーミングやデジタル・セールスが絶好調、「バック・トゥ・バック」は初登場21位、「チャージド・アップ」が78位にデビューする好展開をみせている。しかし、この罵り合いの前にリリースしていたとはいえ、フィーチャリングでドレイクが参加している、ミーク・ミルの「R.I.C.O.」が、その2曲の間にランクインしているのは、何とも皮肉な話。

 どちらにとっても大きなプロモーション活動になるわけだから、この「ドレイクVSミーク」のバトルが、果たして“ヤラセなし”かどうか、というのは何ともいえないところ。いずれにせよ、この話題の2曲のほか、「ライト・ハンド」、「ホットライン・ブリング 」の4曲が一気に配信されたことは、ファンにとって嬉しい展開であるし、秋~冬にリリースが予定されている新作への、大きな宣伝効果となっただろう。

 ミークとの投げ合いや、リリックの内容は少々お粗末に思うとも、これが彼らの戦略であれば、SNS社会を活用したビジネス戦略としては完璧だし、そのリリックにのせた、唯一無二のドレイク流ファンク・サウンド、センスの良さは、認めざるをえないクオリティだ。

Text: 本家 一成


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