【2.5次元インタビュー】前山剛久&小松準弥&佐伯亮、児童文学のコミカライズをベースにした舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」が描く「非現実」の中のリアル

2018年11月28日 / 12:00

 香月日輪の児童文学のコミカライズをベースとした舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」が2019年1月11日から上演される。本作は、両親を亡くした主人公がお化けや妖怪が出るというアパートに入居したことから、画家や除霊師、自称霊能力者、さらには幽霊や妖怪など、人情味あふれる入居者に囲まれて成長していく物語。11年にはコミック化、17年にはアニメ化もされ、幅広い年代にファンを獲得している。そんな本作で主人公・稲葉夕士を演じる前山剛久と、長谷泉貴役の小松準弥、龍さん役の佐伯亮に作品の見どころを聞いた。

(左から)龍さん役の佐伯亮、稲葉夕士役の前山剛久、長谷泉貴役の小松準弥

-出演が決まったお気持ちを教えてください。

前山 人気のある作品で、さらに座長ということでうれしかったです。僕の演じる夕士は僕のイメージとは全く違う見た目ですし、今まで演じたことのないタイプの役なので、自分としては挑戦だと感じました。

小松 前ちゃんさん(前山)と(佐伯)亮と共演できるということを聞いて、まずはそれがめちゃめちゃうれしかったです。実は、少し前にも別の作品で共演したばかりなんです。「また一緒にやりたいね」と話していたのですが、こんなに早く実現できるとは思ってもいなかったです!

佐伯 龍さん役だとお聞きして、こんなに美しい人を僕が演じるんだという衝撃が最初にありました(笑)。でも、原作を読み、この作品や龍さんについて知っていくうちに、龍さんに感情移入することができたので、演じることがすごく楽しみです。

-原作を読んだ感想は?

前山 これは道徳の教科書なんだなと思いました。人間には、きれいなところも汚いところもあって、でも、それが人間らしさで、それも含めて人間なんだという深いメッセージを感じましたし、この作品を舞台でやれることにやりがいを感じました。

小松 僕も、これから生きていく中でヒントになるようなものがたくさん、ちりばめられている本だと感じました。読む方によって、いろいろな印象を受ける本です。自分はこうしてみようと、考えるきっかけになる作品だと思うので、舞台でもそういう部分も出していけたらいいなと思います。

佐伯 幽霊も人間と同じように成長していっているというのを鮮明に描いていて、単純にすごいなと感じました。親しみやすいし、読みやすい本でした。

-漫画化やアニメ化された作品という意味では、この作品も2.5次元というジャンルに含まれますが、いわゆる2.5次元と言われる作品とは、だいぶ趣きが違うように感じます。

前山 今までと同じようにやっていたのでは通用しないと思いました。魂を込めて、メッセージを伝える気持ちを強く持って演じないと伝わらないと思います。妖怪が登場するという「非現実」はありますけど、描いている内容はリアルで、いわゆるキラキラ系ではないですよね。

-本作は、夕士が妖怪アパートに下宿を始めたことから物語がスタートします。その内容にちなんで、一人暮らしを始めたときのエピソードや思い出を教えてください。

前山 僕は大学進学を機に、大阪から東京に出てきたんですが、実家で飼っていた犬に会えなくなるのが寂しかったです。非常にかわいがっていたので(笑)。親と離れての生活は、もちろん、そのときが初めてだったので、やはり親のありがたみも感じましたし、一人だからこそ気付くこともありました。夕士は中学生のときに親が亡くなってしまって、そこから一人で生きているので、本当にすごいなと、尊敬します。

小松 僕も初めて一人暮らししたのは大学生のとき、地元の宮城でしました。その後、大学を卒業して東京に出てくるときに、初めて自分で家賃や生活費を払うようになって、当時は1Kの部屋に住んでいました。その部屋は、キッチンが部屋の中にあって、洗濯機が置けない部屋だったんです。でも、そのマンション内にコインランドリーが付いていたので、そこで洗っていたんですが…それがとにかくしんどかったことが思い出です(笑)。コインランドリーの洗濯機が古いんで、柔軟剤を後入れしなくちゃいけなかったり、何度も往復しなくちゃいけなくて…家賃も地元で住んでいたときに比べたら高いので、東京って怖いなって思っていました(笑)。

佐伯 僕も大学生のときに広島から出てきたのですが、東京に引っ越しをする日に仕事が入っていて、引っ越しに立ち会えなかったので、友人に前日から泊まり込んでもらったんです。それで、僕は始発で家を出て、友人に引っ越しを頼んで仕事に向かったんですが、その友人は朝方にもかかわらず、なかなか寝付けなかったらしくて…気付いたら金縛りにあっていたそうなんです。そうしたら、足元にあった扉が急に開いて、黒い影が見えて、その黒い影が床をはいつくばって、友人の体に乗ってきた。次の瞬間にはいなくなったらしいのですが、その黒い影が見えた場所というのが、ずっと嫌な気配を感じていた場所だったんですよ。多分、引っ越してほしくなかったんだろうと思いますけど、今考えると怖いエピソードですね。引っ越せてよかったです。

 
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