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山田洋次監督の83作目となる最新作『母と暮せば』の音楽を、坂本龍一が担当することが決定した。
本作は、長崎で助産婦として暮らす母のもとへ、3年前に原爆で亡くしたはずの息子がひょっこり現れる、やさしく泣けるファンタジー。母・伸子役を吉永小百合、息子の浩二役を二宮和也、浩二の恋人・町子役を黒木華が務める。
以前より、坂本龍一と親交があった吉永小百合は、本作の企画が立ち上がって間もない2014年4月に山田監督とともに坂本のコンサートに訪れ、そこで吉永が2人を引き合わせたことをきっかけに、今回の企画が実現した。坂本と一緒に仕事をするのが長年の夢だったという山田監督は「ぼくの頭の中にはすでに坂本龍一の美しい音楽が鳴り始めています」とコメント。一方、『男はつらいよ』シリーズの大ファンだという坂本も「核のない世界を望んでいるぼくとしては、これはやるしかありません。このような大作が、病気からの復帰後第一弾の仕事なのですから、ぼくは本当に幸せ者です」と語った。
本作は4月下旬から7月中旬までの約2ヶ月半におよぶ撮影を終え、現在ポストプロダクション中。12月12日に全国ロードショーされる。
◎坂本龍一コメント全文
『寅さん』映画は、歳をとるほどに味わい深く感じられます。最近などはタイトルバックの江戸川が見えるだけで、涙目になってしまいます。もう帰ってくることのない昭和の日本への郷愁でしょうか。小津安二郎や成瀬巳喜男の映画にも共通のものを感じます。 その山田洋次監督から、次回作の音楽を頼まれました。しかも吉永小百合さんが同席しています。この二人に何かを頼まれて断れる日本人がいるでしょうか。そして内容は井上ひさしさんの『父と暮せば』へのオマージュとして呼応するように、長崎が舞台となっています。核のない世界を望んでいるぼくとしては、これはやるしかありません。 このような大作が、病気からの復帰後第一弾の仕事なのですから、ぼくは本当に幸せ者です。
◎山田洋次監督コメント全文
『母と暮せば』の企画を発想したとき先ずぼくの念頭にあったのは、主役は吉永小百合、音楽は坂本龍一、このお二人しか考えられないということでした。最初に吉永さんの承諾を得てそのあと、彼女と二人でコンサート中の坂本龍一さんの楽屋に押しかけ口づてで企画を話しました。彼の口から快い承諾の返事を聞いたときは本当に嬉しかったものです。坂本龍一さんと組んで仕事をするのは長年の夢でした。ぼくの頭の中にはすでに坂本龍一の美しい音楽が鳴り始めています。
◎吉永小百合コメント全文
昨年の四月、山田監督とご一緒に坂本さんのコンサートに伺いました。
坂本さんが『母と暮せば』の音楽を創って下さることになって、嬉しくて嬉しくて舞い上がっています。
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