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NHKの大河ドラマ「真田丸」で豊臣家の重臣、大谷吉継を演じている片岡愛之助。豊臣秀吉(小日向文世)の死後、孤立する盟友、石田三成(山本耕史)に加勢し、義を貫く壮絶な生きざまを語る。
吉継は石田三成以上に、さらに物事を俯瞰して見ている落ち着いた人物です。ただ、わーっと感情的なシーンがなく、いい人過ぎて最初はどう演じていいのか不安でした。結局、台本を読み込んだことでようやくそういう人物像に至りました。ですが、いい人キャラクターの中に冷酷さもあるんです。ですから、NHKの番組で「すごくいい人ですよ」って言った後の放送回で、千利休(桂文枝)に冷酷に切腹を言い渡していたりして、周りからは「本当にいい人なの?」って言われていました(笑)。
「すてきにかっこよく、関ヶ原の西の陣にさっそうと吹く風のような男であってください」ということでした。
それ以来です。何年も会っていませんでしたが、吉継と三成のようにすっと入れました。
そんなに深く考えたことはないですけど、役者としては関係がしっくりきて、演じやすい環境を作っていただいてありがたかったです。
そりが合っていないのかなという瞬間もあるんですが、結果的には頼りにはしてくれているのでは。信頼し合っていると思います。
そこに来てようやく熱くなれる瞬間が来たわけです。でも、一方では吉継は病にかかっているので三成に対しては心苦しい。演じがいのあるシーンでした。撮影も2人のシーンですから、ピリッとした空気がありました。ただ信頼し合っているという関係ではなく、また違った感じの男の世界。涙なしでは語れません。
当時を生きた人にしか分からないでしょう。三成との友情やいろんな思いがそうさせたのでしょう。吉継の生きざまはすてきだと思いますよ。男としての理想です。しびれますね。
役の上では年齢差があるので、雑に扱ってしまうところもあるんですが、信繁は頭の切れる男で信頼できると将来性を見込んでいます。実年齢では堺さんとあまり年が変わらないので、娘を嫁に出すというのもいろいろ複雑なんですが、堺さんは若く見える演技をされているので、すごいなと思っています。
しっかりしていると思いきや、天然のところがある。両面持ち合わせた魅力的な娘という感じです。
堺さんはぴったりで、しっくりきます。普段からてきぱきと物事をこなしているんじゃないかと思います。実際の耕史くんもなんでもできますし、冷静です。ただ彼は撮影現場では(三成と違って)ムードメーカー。面白いことを言ってくれるから場が和むんです。
4年ぐらい前に、幸村を描いた講談の「難波戦記」を歌舞伎に作り直してみたいと思うようになって、いろいろ調べ始めました。ただ作業にはかなり時間が掛かるなと感じていて、いまはストップしたままなんです。今やって、「真田丸」のブームに乗っかっていると思われても何ですので、すぐには上演しませんが(笑)、いつかはやりたいです。
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