【映画コラム】 トム・クルーズからシュワちゃんまで。来日会見アラカルト

2013年2月23日 / 17:40

 

(左から)黒木メイサ、ブラッドリー・クーパー

 ハリウッドをはじめとする欧米の映画界にとって日本は重要な市場の一つ。ところが、昨年の日本の映画興行収入は邦画が洋画を上回る“邦高洋低”となった。そうした事態に危機感を抱いたのか、今年は例年にも増して海外の映画関係者の来日が相次いでいる。今回は彼らの記者会見の中から、印象に残った場面やコメントを幾つか紹介しよう。

 まずは新年早々『アウトロー』のジャパンプレミアで来日したトム・クルーズ。彼はスタントマン無しのカーアクションについて「とても怖い思いをした。とにかく高速で、危険なドライブだった。車を8台もパーにしちゃった。CGを一切使っていないので、そこにも注目してほしい」と語った。彼にとって本作は『ミッション:インポッシブル』に続くシリーズ化への期待が掛かるだけに、いつにも増して力が入ったのだろう。 

 19世紀から近未来まで、六つの異なる時代に生きる人々の姿を描いた『クラウド アトラス』を共同監督したウォシャウスキー兄弟の姿には驚かされた。兄のラリーが性転換手術を受けてラナとなり、いつの間にか“姉弟”になっていたのだ。彼女は本作のプロモーションをするに当たり、女性になった自分を公表したとのこと。ラナは新作について「『映画はこうあるべき』という慣例は大嫌い。私たちは新しいアプローチをしようと常に心掛けている。普通の映画とは違うからと拒否反応を示さないで見てほしい」という印象的なコメントを残した。 

 米「ピープル」誌の「最もセクシーな男性」に選ばれたブラッドリー・クーパーは、製作も兼ねた主演映画『世界にひとつのプレイブック』について「この映画が多くの人を引き付けるのは、監督がリアルな人間を描こうとしたから。人間は“自分はアウトサイダーだ”と感じることがあるけど、この映画を見て“誰かと一緒にいるインサイダーなんだ”と感じてもらえたらうれしい。この映画はロマンチックな映画でもあるし、家族の映画でもある。人が生きていくときに互いをいかに必要としているかを感じてもらえると思う」と自信満々に語った。彼にとって、父親役のロバート・デ・ニーロとの共演は人生最大の出来事だったという。

 
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